昨年の8月4日に椎間板ヘルニアを発症した。椎間板ヘルニアの発症後の経緯がどうなるか、とっても不安だったので、動けないなかスマホで色々と情報収集した。
体験記と言えばおこがましいが、このときの情報収集で結構、不安が解消されたので、同じように不安になっている人がいたら少しでも役に立てればと思い、私のときの経過等を記すこととした。
目次
椎間板ヘルニアは突然やってきる
ぎっくり腰で動けなくなったり、鈍痛が腰の部分にあったりと、腰の不調は普段からあった。
でも、椎間板ヘルニアはそんな甘いものじゃなかった。
椎間板ヘルニア発症の前日、8月3日の晩に、腰のあたりに何か水が流れるような違和感を感じた。全然痛みなどはなかったので、すぐに治るだろうと思って就寝したのだが、翌朝起きると、左足に痛みが走っていた。最初はそれほどの痛みではなかったが、この痛みは「普段とは何かが違う」と感じた。
余談だが、他の疾病にしてもこの「普段とは何かが違う」という感じは重要らしい。今迄常に経験していることであれば、日々の生活の中でのことなので大事には至らないが、やはり自覚症状がこうした違いを察知していれば、速やかに医療機関にかからないとならないらしい。
それでも何ともないだろうと高をくくっていたが、1時間ほど経ち、いざ出勤しようという段になって、痛みがひどくなったので、仕事は休み、そのまま外科へと走った。
この痛みは、ぎっくり腰のように体を動かすと痛くなるとか、腰痛のように腰が重くなるといったたぐいのものではなく、腰というよりも、左足の先に向かって常時激痛が走るというもので、座っていることができなくなってしまった。立っていた方が比較的にまだ楽だった。楽と言っても痛みがなくなるという訳ではなく、激痛が走っているということには違いはなかった。
椎間板ヘルニアかどうか分からなかった
病院へ行ったが、とっても混んでいて2時間ほど待たされた。その間は座っていることもできず、本当に大変だった。
診察ではレントゲンを撮り、仰向けに寝た状態で先生は足を持ち上げ、痛みが走るかどうかを調べた。このときは足を上げても特別な痛みは生ぜず(と言っても足先の痛みは常時あった)、普通に足が上がったので、先生も椎間板ヘルニアかどうか診断は下せず、レントゲンを見て、「腰椎の間隔が狭くなっているので神経を圧迫しているのかも知れない。詳しくはMRIを撮ってみないと分からないがMRIを撮ったとしても症状が変わるわけではないので、どうしますか。」と聞いてきた。
MRIは費用が結構かかるということを気にしていたようだ。「こんなに金がかかったのに、治療は何もかわらないじゃないか」などとクレームを付けた患者がいたのではないかと推測した。
MRIを撮ると即答して、痛み止めの薬、ロキソニンを貰って帰宅したが、このロキソニンは私には本当に効かなかった。というか、効いていたが、痛みの方が強いので効果が覚知できなかったのかも知れない。
椎間板ヘルニアだった
翌日、MRIを撮ったが、その日は診察してもらえず、そのまま帰宅。その翌日に診察があり、MRIの結果を聞いた。先生は、画像を見て、見事な椎間板ヘルニアとの診断。「これ、この部分がこのように出て」と説明されたが、良く分からなかったので、「でも、軽いものなんですよね」と聞いてみたところ、はっきりとは答えなかった。少なくとも軽いものではないらしい。
先生は、「痛み止めを続けて、それでも治らなければ手術ですね」と言って診察終了。
その後も激痛が続き、痛み止を飲んでも気休め程度で全然良くならない。我慢できずに3日後に再度受診して薬を変えてもらったが、これも効かなかった。
椎間板ヘルニアの原因は何か
椎間板ヘルニアの原因は一般的に腰への負担と言われている。確かにそう思う。ただ、私の場合は歩き過ぎが原因だった。
椎間板ヘルニア罹患時の生活
溺れる者は藁をもつかむで、腰は固いベットが良いと聞いたので、ベットにダンボールを敷いたりもしたが、余計痛むようになった。
普段のベットで寝るのが苦痛だったので、ソファに寝た。なんとなく、ソファの方が痛みが和らぐような気がしたからだ。
痛みは四六時中同じ程度ではなかった。日中は少しか引くことはあったが、夜の7時頃から再び激しくなり、その痛みが夜中の間続き、朝方に幾分かは良くなった。こうした状態が6日程続いた。
痛みは続いたが、ぎっくり腰のように体を動かすと激痛が走るというものではないので、トイレ等には行くことができた。通院のための車の運転も何とかできた。
7日程経つと、痛みは幾分かは良くなった。激痛が和らぎ始めたのだ。
9日程経つと大分痛みは引いてきたので11日後には出勤した。
出勤できたと言っても完治した訳ではない。まだ、違和感が腰に相当程度残っており、まともに歩くことができない状態だった。このため杖を使ってみた。人生初めての杖である。やはり杖で体重を分散させながら歩いた方が確かに楽だった。
長い距離は歩くことはできないので、職場までは許可を取り車で通勤するようにした。結局、普通に歩けるようになるまで2カ月以上がかかった。
椎間板ヘルニアって何だ
脊柱管狭窄症とか、ぎっくり腰は経験していたので、椎間板ヘルニアも似たようなものだろうと思っていたが、全然違った。
痛みのランクから言えば最上位に位置するとのこと。これじゃ痛いはずだ。本当に痛かった。出産と同等と言及しているサイトもあった。
痛みが和らぐならブロック注射を打ってほしいとも思ったが、ブロック注射は打つ時の痛みが相当あるということも言われているので躊躇したし、先生も打つかどうか聞いてはこなかったので打つことはしなかった。
椎間板ヘルニアは椎間板の間にある腰椎がはみ出て神経を圧迫するというもので、他の腰痛と、病気の原因が全く異なる。飛び出た腰椎は通常は免疫細胞のマクロファジイ―が食べるので時間とともに消失して良くなるが、良くならない場合や排尿障害がある場合は手術が必要になるらしい。
手術をしても保存療法をしても1年後の患部の所見は変わらないという話もあるので安静にしていて治るものなら安静が一番の選択肢と思う。
椎間板ヘルニアが治ってみると、本当に以前と同じくなった。腰痛が激化したとか、常時腰が痛むようになったとか、そうした腰に関しての後遺症は何もない。なので、椎間板ヘルニアの後遺症で腰が悪くなったということも言われるが、そのようなことがあるのかと疑問に思っている。
と言うのも原因が出っ張った腰椎ならば、それがなくなると完治するはずだからである。
事実、私は完治した。
椎間板ヘルニアの9割の診断は間違いだというようなショッキングなことを言う先生もいる。この先生によると確かに僅かに飛び出た腰椎はあってもこれが直接神経を圧迫していないものまで椎間板ヘルニアと診断していることが多いという。直接神経を圧迫していないで腰痛があるのは原因が別のところにあるとのことである。
その説には同意するところだ。だから「えせ椎間板ヘルニア」は時間の経過とともに良くはならないが本当の椎間板ヘルニアは治ると完治するものと思う。
後遺症はないと言ったが確かに腰の後遺症はないが、脳の後遺症がある。頭が悪くなったという話ではない。実は、脳は椎間板ヘルニアの痛みを覚えていた、原因がないに拘わらず痛みを再現することがあるとうことだ。私の場合もこれがあって、ごくたまに、僅かな違和感を右足に感じることがある。