FreeStyleリブレの血糖測定値をどのように見れば良いか(測定結果は正しいのか、実測値との差はあるか)

FreeStyleリブレで血糖を測定していると「この値は正しいのか」と疑問に思うことがある。というのも、普段病院で計っている値と大きな差があるからだ。

具体的に言うと、普段は一度も100を切ったことがないのに、FreeStyleリブレでは殆どの測定値が100以下となっている。また、推定a1cが5.5のとき実測値は7だった。これだけ違うと、疑問が沸いてくるのも当然だ。

これらは、計るタイミングが違うので仕方がないと考えるような差ではない。

巷の情報では、計り始めは不正確とか、センサーによって異なる、センサーを付ける位置によって異なるというものがある。

そこで、大したことはできないが測定結果をどう見て行くのか、いくつかの視点で考えてみた。

FreeStyleリブレでの計測は初めは低く出るようだ

まず、実証できるのが計り始めと終わりとではどの程度の差が生じるかである。このため、センサー装着の翌日と10日目で食事を取らない状態で計測してみた。その結果は、図のとおり、10日目の方が著しく上昇している。

また、初日から5日間の推移は下図のとおりだ。このときは食事量が異なっているので単純には比較できないが、初日を除いて日が経つに従って上昇していることが分かる。初日は何も食べていないのに極端に高く出ていて二日目に急激に下がっている。これも着け始めは不正確というひとつの表れと思う。

これらを考え合わせると、少なくとも装着してから2日間は正しい値ではないと思われる。このため、3日目以降の値で判断をして行った方が良さそうだ。

真偽は不明だが、メーカーから「センサーが体に馴染むまで5日程かかる」と言われた人もいるらしい。

リブレセンサーによる違いは確認することができるか

FreeStyleリブレセンサーによる違いは、個人版FreeStyleリブレであれば実測値との差異である程度は確認できると思う。リアルタイムと機器計測での違いである。ただ、ここでも注意しなくてはならないのは、機器計測の方は15分前の状況であると言われている点だ。記録した時点の実測値は機器が15分前に測定したものを表示しているに過ぎないらしい。食事をしたばかりなどでは15分の差は大きい。情報の出所は不明であり、正しい情報かどうかは分からないが、時間差の可能性は認識しておいた方が良さそうだ。ただ、残念ながら、自分が借りているのはPro版なので実測はできない。

なお、センサー毎に異なる値を表示する可能性があるなら、センサーを付ける位置の違いによっての差異を検証することは不可能だ。数値の違いがセンサーの差なのか、付ける位置によるかが判然としないからだ。なので、付ける位置は一定にしておいた方が良さそうだ。

FreeStyleリブレの測定結果はどのような視点で見るべきか

こうした差異があっても、不正確なのは絶対値であって、相対値は正しいものとは思う。もっと正確に言うと、誤差の範囲が値によって異なる可能性はあるので、例えば、比較的高血糖時は正しくて比較的低血糖のときは誤差が生じるということもあるかも知れない。しかし、そこまで考えてしまうと、きりがなくなってしまう。なので、ひとつの傾向を見るという意味での使用価値は大きいという理解でお茶を濁さざるを得ないと思う。

ただ、間違いなく正しいと言えるのは、FreeStyleリブレの測定結果内同士の比較である。ある食べ物と、別の食べ物では上昇の違いはどの程度かなどである。食べ物単位で傾向を見るにはとても役に立つ。

極端な高血糖や低血糖の状況を事前に察知するということも可能だ。

補正をして、見るという使い方

常に低く出ているとすると精神衛生的にはとても良い。しかし、あまりにも違い過ぎていると機器で計測している意味がなくなってしまうし、油断を生みかねない。なので、実測値と機器での測定値が常に一定の範囲で異なっていると仮定して、補正をしながら見るという方法はどうだろうか。

常に30違うなら、機器測定値に30をプラスして見るということだ。そのときどきで差異が異なるとしても平均的にどの程度異なるかを算出してその値を加除する。こうして実測値に近づけて見るのが良いと思う。

個人版のFreeStyleリブレなら機器での測定と実際に穿刺しての値との比較で大体どの程度の差が生じているか検討が付くのでその差を加味して見ていくと良い。

しかし、Pro版では実測することができない。それではどうするかだが、タイムラグはあるものの病院で計測したHbA1cから平均血糖値を算出してその差異を加除するというのはどうだろうか。

幸い、HbA1cと平均血糖値との関係は「ADAG研究」により算出することができる。これは、2006~2008年に行われた、18~70歳の1型糖尿病患者(n =335)、2型糖尿病患者(n=236)、非糖尿病者(n=90)、計661例、507のデータを解析して統計的手法に基づき推定平均血糖値とHbA1cの間の相関関係を求めたもので、平均血糖値(mg/dL)=(28.7×HbA1c)-46.7の計算式で示されている。

ちなみに、FreeStyleリブレではHbA1cは測定していないが、推定HbA1cとして示されているのはこの計算により算出しているからだ。

こうした差異を加除してデータを見るのが良いと思うが、当然、加除した結果をFreeStyleリブレソフトは表示してくれない。加除して見るという機能は備わっていない。このため、自分でデータを加工して閲覧するしかない。加工しての閲覧が面倒なら、毎回、この程度は違うということを頭の中で想像して見るしかない。

ただ、私の場合は、やはり加除して補正したデータで色々と見てみたいのでFreeStyleリブレソフトと同じようなことができるソフトを作ってみた。