免許更新

現在4道府県で試行運用されているオンライン講習は2025年2月に終了し、2025年3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証を一体化した「マイナ免許証」の運用が開始される。 それにともない、免許更新時の講習をオンラインで受講できる取り組みも全国で始まることになる。つまり、今までは時限的、限定的なオンライン講習が全国で可能となるということだ。

幸い、北海道では、まだ試行運用中なので、マイナ免許証でなくともオンライン講習が可能とのこと。たまたま、12月が免許更新時期だったので、どのみち、将来的にオンライン講習となるというなら、どうせならと思い早速やってみた。

一言でいうととっても便利というものだった。

免許の更新は申請書記載、収入印紙購入、視力検査、写真撮影、そして更新時講習に大別される。更新時講習以外は一連のものとして淡々と進められるものだ。ところが更新時講習は時間が決められていて、始まるまで待っていないとならない。そのうえで所定の時間、講習を受けることとなる。

この待ち時間や講習時間がすべて不要になるのだ。講習をうけるために待機している人たちをしり目にそそくさと免許証を持ち、帰るのは、実際、とってもとっても快感だ。

そうするためには、事前にネットで講習を受けておかなくてはならない。その労力をどう評価するかという話になる。事前のネットでの講習が大変なものであれば、いくら警察署の講習が面倒であっても警察署での講習を受けたほうが良いからだ。

上手く行かなかったところ

とは言っても、全てが順調だったというわけではない。私の場合は、結果的には、まあ簡単だったという評価になるものの、ひとつどうしても困ったという場面があった。

それは講習中に3度の顔写真撮影があったのだが、途中でパソコンが止まってしまったということだ。正確に言うとパソコン本体ではなく、画面上で丸い輪がぐるぐると回って先に進まないというものだ。

初回の撮影のときだが、こうしていくら待っても次の画面に進まなかった。挙句の果てに「システムが応答しません」となって待機するか、この画面から離れるかの選択を迫られてしまった。

さて、どうするかと迷った。おそらく、この画面から離れてしまうと、もう一度最初からやらないとならなくなるだろう。今、受けていた講習もキャンセルされる可能性もある。とすると、待機を選択すべきであろうと思い、待機を選択した。

すると、やはり、そのままの状態で待機を余儀なくされた。そうして待っていれば次に進むかと思ったが、そうは行かなかった。また、同じ待機の画面が出たのだ。また同じ操作をしたが、また待機に・・・。永久にこのループに入るのかと思ったが、5回目ぐらいでようやく進めることができた。

一度目の撮影が終わり、次の講習を受けていたら終わりごろに再度の写真撮影。前回のこともあるのでここでも大分苦労するかと思ったが、すんなり進んだ。そして進んだ先が「顔の認識ができなかった」というエラー。

画面に出ている枠内にきちんと顔を入れて撮影しないとならないが、どう考えても正しく枠内に収まっている。しかし、ここで反抗しても仕方がない。画面に向かって文句を言っても誰も聞いていない。仕方なく、何度か撮影して、確か4回目ぐらいで進むことができた。

最後の撮影も同じ苦労をした。この写真撮影だけは何とかしてもらいたいところだ。果たして、こちらのパソコンの問題なのか、それともネットの問題なのか、システムの問題なのかはわからないが円滑に行かなかったことだけは確かだ。

マイナンバーカードの読み取りが必要

話を元に戻そう。私は写真で苦労はしたが、もしかすると他にも苦労する点があるかもしれない。

まずは、マイナンバーカードがないと話にならない。マイナンバーの本人確認で手続きするからだ。このマイナンバーを使う以上、マイナンバーを読み取ることができる装置が必要だ。パソコンであればICリーダー、スマホなら読み込み機能があるものでなくてはならない。

その点、私は、もともと確定申告をマイナンバーカードで行っていたので、このあたりは隘路とはならなかったが、もしかすると、これで躓く人がいるかも知れない。

だから、免許更新時の事前ネット講習はもしかすると、既存の何かをマイナンバーカードで行っている人が選択すべきものかもしれない。

そうでなければ、このマイナンバーカードの読み込みの時点で躓くからだ。

逆に言えば、マイナンバーカードをすでに利用している人たちに取っては、ぜひともこの方法により事前講習を受けるべきものと思う。

カメラ付きのパソコンが必要

途中で3回写真を撮られるのでパソコンがカメラを搭載していなくてはならない。最初、私は普段使いのデスクトップでやろうと思っていたが、カメラが付いていなかったのでサブのノートパソコンで行った。

デスクトップの方が性能が良いのでできればデスクトップでやりたかったが、仕方ない。もしかすると、デスクトップでやっていたら写真撮影であんなに苦労しなかったかもしれない。

カメラへのアクセス権限の設定は講習を受ける前にアナウンスがあるので特に事前に行うことはなかった。今どきのノートパソコンでカメラ機能がないものはないと思うのでノートパソコンを使っている人は全然問題ないと思う。

事前講習の方法

これは私が事前に講習を受けた流れである。更新案内はがきにこの事前講習について載っていたので知ることができた。ハガキにQRコードがあり、読み込むと事前講習の案内のページを見ることができる。

私は実際にはパソコンでやったが検索で容易に案内ページにアクセスすることができた。

講習は、優良講習であれば3つの部分から、一般講習はそれにひとつ追加の4つの部分からなる。写真もそれぞれとるので3回、又は4回撮ることとなる。

やり方はそれほど難しいことはない。マイナンバーカードを入れてパスワードを入力。このときに、6桁の方を求められる。マイナンバーカードには3つのパスワードが登録されているので間違いないようにしなくてはならない。

あとは画面に沿って進んでいくだけである。

予定どおりの30分程度で終わる。途中、各節ごとに問題が出るが、殆ど常識問題で特に難しいものではない。

私の具体的な当日の流れ

警察署には駐車場がないとの案内だが、もちろん警察署には駐車場が完備されている。免許更新のお客はなぜか駐車場を利用してはいけないらしい。まあ、そう考えるのは違うかな。なぜなら、駐車場を利用してはいけないなどとはどこにも書いていない。駐車場がないとだけしか書かれていない。

それでは、警察の駐車場な何なのかと思うが、何れにせよ、始業の大分前に着いたら駐車場は既に車で半分ほどが埋まっていた。私の前には20人ぐらいがいたので、恐らく皆車で来たものと思う。

まあ、駐車場の話はどうでも良いが、8時半ころから事務手続きが始まった。事前講習を受けた人は申し出てくださいとのこと。大きく、紙にも書いている。

その旨、申し出たところ、窓口を案内された。一応、終了した旨のプリントアウトは持って行っていたが、案内された窓口では「では、こちらでも確認しますね」と言ってシステムを確認し、同時に、撮った写真で私の顔と照合した。なるほど、写真の本人確認はこの窓口で行うのかと改めて感心した。これなら、すり替えなどの不正講習も起きないだろう。

それから、他の人と同じく、収入印紙を購入してから申請書に名前を記入、視力検査を進んだ。このときの申請用紙には事前講習を受けている旨のスタンプが押されている。

視力検査を終えてそのまま写真撮影。当日、受講する者は、撮影が終わったら廊下で待たされていた。

次の講習までは1時間近くの時間があった。この待機時間と講習時間がそのまま省略されるのだ。

8時25分頃警察署に着いて、警察署を出たのは9時10分である。ちょっと予想外だったのが、写真を撮ったのが8時45分頃だったので、免許証ができるまで25分ほど待たされたことになる。この時間が省けたらもっと早く警察署を出ることができていただろう。

試行運用されているオンライン講習実施とは

令和6年4月1日(月)から令和7年2月28日(金)まで(24時間視聴可能)北海道、千葉県、京都府、山口県の4道府県で行われている。
対象者は下記1~4全ての条件を満たす方が対象となります。

1.  講習の区分が「優良」又は「一般」(更新連絡書に記載)であること
2.  オンライン講習(モデル事業)の受講及び免許証の更新の時点で、試行都道府県に住んでいること
3.  マイナンバーカード(有効な署名用電子証明書及び利用者証明用電子証明書、6~16桁英数字のパスワード)を持っていること

4.  試行都道府県内の更新申請窓口で免許証の更新手続をする予定であること

2025年3月24日からは、マイナンバーカードと運転免許証を一体化した「マイナ免許証」の運用が開始されこれにともない、免許更新時の講習をオンラインで受講できる取り組みも全国に拡大される。

マイナ免許証とは

マイナ免許証は、マイナンバーカードのICチップに免許証番号や有効期間、免許の種類・条件などの免許情報を搭載したもので、見た目はマイナンバーカードそのもの。

マイナ免許証の取得は任意であり、免許保有者は次の3パターンから免許証の持ち方を選択できます。
1 従来の免許証を返納し、マイナ免許証のみを保有する
2 従来の免許証とマイナ免許証の両方を保有する
3 従来の免許証のみを保有する

もちろん、自動車を運転する際には従来の免許証またはマイナ免許証のいずれかを携帯しなければならず、  1のパターンは身分証明書を1枚に集約できるため、管理や持ち運びが容易になる。2のパターンは万が一どちらかを紛失した場合でも、もう片方の免許証を携帯していればすぐに自動車の運転ができるという点で安心感が出るが、このために両方を持つのは手間がかかることになる。

マイナ免許証を取得するメリットとして、「住所・氏名変更手続きのワンストップ化ができること」や「免許更新時の手数料が従来の免許証と比べて安いこと」などを挙げている。

これまで引っ越しや結婚などに際して住所・氏名変更をするとき、マイナンバーカードの手続きを市町村役場で、免許証の手続きを警察でそれぞれおこなう必要があったが、マイナ免許証のみの場合は 市町村役場に届出をするだけで手続きが完了する。

また免許更新時の手数料は現在2500円ですが、マイナ免許証のみの場合は2100円(-400円)、従来の免許証のみの場合は2850円(+350円)、従来の免許証とマイナ免許証の2枚持ちの場合は2950円(+450円)と、マイナ免許証のみを保有するケースが最も安くなる。

マイナ免許証を利用すれば、免許更新時の運転者講習をスマートフォンやパソコンなどからオンラインで受講できるようになり自宅など好きな場所で、好きな時間に講習を受けられることが大きなメリットといえる。

まとめ

試行とはいっても全国実施を前提とした試行なので、今後はオンライン講習が前提となると考えた方が良い。

実際に、私の住む札幌市では、今回私が行った厚別警察署では2月以降、対面講習は中止となった。オンライン事前講習を受けた者しか更新ができなくなった。

恐らく、どこの都道府県でもこの流れになるだろう。結局、対面講習の回数や実施場所がなし崩し的に減っていく流れだ。

そう考えると、今からオンライン講習に慣れておくべきと思う。今なら、オンライン講習を受けたら、私のように本当に円滑に手続きが進むが、今後、殆どがオンライン講習を受けた者であれば混雑は変わらなくなってしまう。

少なくとも、優良、一般講習の対象者でネット講習ができるところに住んでいる人の中で、
①マイナンバーカードで確定申告などの諸手続きをやっている人
②ノートパソコンなどカメラ付きのパソコンを持っている人でICリーダーがある人、又はスマホにマイナンバーカードの読み取り機能がある人
は絶対に事前講習を受けておいた方が良いと思う。