冷えた炭水化物は血糖上昇しにくいという話がある。
炭水化物が冷えると難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)」と呼ばれる物質に変化する。そしてこのレジスタントスターチは、名前の通り消化されにくいため、小腸に入っても吸収されにくく、大腸まで進んでいくことになる。吸収されにくい分、カロリーも抑えられ、更に血糖値の上がり方はゆるやかになるという理屈だ。
この手の話は眉唾ものが多い。果たして本当だろうか。検証してみた。
そのために食べる食材は、ご飯250グラム、軽く茶わん2杯、おかずとしては血糖値をあまり上げないだろうと思われるゆで玉子1個、筋子少々、ふりかけである。
ご飯は次の3種類とした。
①あたたかいご飯(ジャーで炊き立ての温かいご飯)
②常温保存ご飯(常温で12時間程度放置したご飯)
③冷え冷えご飯(冷蔵庫で12時間程度冷やしたご飯)
時間も血糖値が上がりやすい朝食で全て朝7時にスタートした。食べるスピードも血糖値が上がりやすいと言われる早めに食べるようにした。
結果としては、見事に血糖値の上昇を抑えることが分かった。
一番血糖値を上げる「あたたかいご飯」では食事後3時間弱で199まで上昇した。
次に「冷え冷えご飯」では132までの上昇で留まった。
実は、当初この2者のみの比較と思ったが、これほどの違いがあるなら、常温程度ではどうだろうかと思い検証したのが②の「常温保存ご飯」である。現実的に12時間冷やしたご飯は硬くてガチガチ。毎食とてもじゃないが食べることなどできないものだ。だから、通常の冷ご飯ではどうかと思い試したものだ。
これも血糖は殆ど上昇しないことが分かった。というか、最低の上昇だ。冷えた方が良いなら「冷え冷えご飯」の方が良いはずだが、これは予想外の結果だった。いずれにしてもレジスタントスターチを増加するための冷ご飯は冷蔵庫保存するまでもないということが分かった。