やったー「ミドボン」が手に入った~ミドボンとは液化炭酸ガス(二酸化炭素)のボンベのこと

はじめに:炭酸水メーカーのコストを劇的に下げる「ミドボン」とは

炭酸水を作る機器、いわゆる炭酸水メーカー。ソーダストリームやドリンクメイトなどが有名ですが、通常はメーカー附属の液化炭酸ガスボンベを使うのが一般的です。しかし、この純正ボンベでは200CC1杯あたり約50円ものコストがかかってしまいます。市販の炭酸水ペットボトルよりは確かに安いものの、スーパーの安売りのときには大して変わらない価格になってしまうこともあります。

そこで炭酸水愛好家の間で注目されているのが「ミドボン」です。ミドボンとは、主にビールサーバーで使われる業務用の液化炭酸ガスボンベのこと。これをソーダストリームやドリンクメイトに接続して使うと、なんと1杯3円程度という驚異的なコストで炭酸水を作れるというのです。

私はケチな性格なので、この話を聞いた瞬間に実行することを決意しました。しかし、調べてみるとミドボンの入手には様々な壁があることが判明したのです。

ミドボンはどこで買える?取扱店探しの苦労

酒屋での購入が基本だが「売ってくれない」ケースも

ミドボンはどこで買えるのか。一般的には酒屋で入手できると言われていますが、実際には「なかなか売ってくれない」との情報が多数あります。

その理由は明確です。ミドボンは、あくまでもビールサーバー用の液化炭酸ガスボンベであり、他の用途に使う場合は販売できないという建前があるのです。

考えてみれば当然のことで、酒屋はガスの販売免許を持っているわけではありません。あくまでも、アサヒビールやキリンビールなどのビールメーカーが所有するビールサーバー用のミドボンを預かって置いているに過ぎないのです。これをビールメーカー自社のビールサーバーを使っている飲食店などに貸与するという構図になっています。

自社のビールサーバーを使っていない人には売らないのが筋であり、ミドボンにも丁寧に「美容院、水槽、家庭用には使用できない」と表示されています。酒屋がビールサーバー以外の用途に使う人に対してミドボンを売ることは、いわば横流しになってしまうわけです。

そのため、購入に際しては使用目的を厳密に聞かれ、ビールサーバー以外の用途と判明した場合は一切売ってくれません。では、口先だけで「ビールサーバー用途」と言えば良いのかといえば、そう簡単ではなく、実際に自宅まで確認に来るという話もあります。真偽のほどは定かではありませんが、このように入手は難しいとされてきました。

業務スーパーでミドボンは買えるのか?取扱店を調査

酒屋以外の選択肢として、「業務スーパーでミドボンを取り扱っている」との情報もネット上で見かけます。この情報の真偽を確かめるため、私は近くの業務スーパー2件に電話で問い合わせてみました。

結果は残念ながら、どちらの業務スーパーも「液化炭酸ガスボンベの取扱はない」とのこと。少なくとも私の地域では、業務スーパーでミドボンを購入することはできませんでした。地域や店舗によって異なる可能性はありますが、全国的に業務スーパーで確実に購入できるわけではなさそうです。

ネット通販という選択肢:価格と充填の問題

このように入手が難しいと言われているミドボンですが、最近ではインターネット通販でも比較的簡単に手に入るようになりました。アマゾンや楽天などの大手通販サイトで検索すれば、複数の販売業者が見つかります。

ただし、ネット通販には大きな問題が2つあります。

1つ目は価格の問題です。ネット通販でのミドボンの価格は、地元の酒屋で購入する場合と比較してかなり高めに設定されていることが多いのです。送料も含めると、初期投資がかなり大きくなってしまいます。

2つ目は、ミドボンを使い切ったときの充填の問題です。ミドボン内の炭酸ガスがなくなったら、再充填する必要がありますが、これをどこで行うかが課題になります。ネットで購入した場合、充填を受け付けてくれる近くの液化炭酸ガスボンベ取扱い店を自分で探さなければなりません。

こうした理由から、長期的なコストパフォーマンスを考えると、やはり地元の酒屋で購入し、継続的に充填してもらえる関係を築くのが最善の選択肢と言えるでしょう。

実録:液化炭酸ガスボンベ取扱い店「ビッグリッキー」での購入体験

購入前の準備と心構え

さて、理屈は分かったところで実際に行動に移すことにしました。近くに「ビッグリッキー」という酒屋があることを知り、まずは電話で問い合わせることにしました。

もし用途を聞かれたら、「これからビールサーバーを買う予定なので、そのために購入したい」と答えるつもりでいました。この言い分なら、仮に自宅に確認に来られたとしても「まだビールサーバーを購入していない」と言い訳できるので問題ないはずです。

予想外にスムーズだった購入プロセス

緊張しながら電話をかけました。

「ビールサーバーに使う二酸化炭素ボンベを置いていますか?通称ミドボンというやつですけど」

「ありますよ」

「いくらですか」

「3014円と、ボンベの保証金5000円です」

「それでは後で伺いますので、よろしくお願いします」

「お待ちしています」

拍子抜けするほど簡単でした。用途について細かく聞かれることもなく、あっさりと購入の約束ができてしまったのです。

店舗に行ったときに色々と質問されて「やはり売れません」となったら困るなと思っていましたが、杞憂に終わりました。店に到着して「先ほど電話した者ですが」と伝えると、店員さんはすんなりとミドボンを持ってきてくれました。

本当に拍子抜けするほど簡単な購入プロセスでした。

ミドボンの価格と保証金システム

ミドボンの価格について詳しく説明しておきましょう。私が購入した際の内訳は以下の通りです。

・ ガス代(充填済みミドボン):3,014円
・ ボンベ保証金:5,000円
・ 合計:8,014円

保証金5,000円は、ボンベ容器自体の預かり金です。将来的にミドボンの使用をやめてボンベを返却する際には、この保証金は返金されます。つまり、実質的な初回コストはガス代の3,014円ということになります。

次回以降、ミドボンの充填が必要になったときは、空になったボンベを持参して充填してもらえば、ガス代の3,014円のみを支払うだけで済みます。このランニングコストの安さこそが、ミドボンをソーダストリームやドリンクメイトで使う最大のメリットなのです。

## ミドボンの取り扱いと安全性:事故防止のために知っておくべきこと

ミドボンの重量と扱い方

ミドボンは想像以上に重量があります。「5K」という表記を見て、私は最初「重さが5キロか」と思っていましたが、これは大きな勘違いでした。5Kとは内容量(充填されている液化炭酸ガスの量)のことで、ボンベ容器自体の重さを含めた総重量は約15キロもあります。

自宅に持ち帰ると、その存在感に圧倒されます。普段の生活でこんな大きな高圧ガスボンベを見ることはないので、「もしも爆発なんかしたらどうしよう」という不安が頭をよぎりました。

ミドボンの事故事例と安全性

気になるのはミドボンの安全性です。高圧ガスボンベと聞くと事故の危険性を心配する人も多いでしょう。

私も心配になってインターネットで「ミドボン 事故」について調べてみました。すると、過去に1件だけ爆発事故があったようですが、それはそのボンベ特有の不適切な使い方が原因だったようです。通常の使用方法を守っていれば、ミドボンによる事故のリスクは極めて低いと考えられます。

実際、全国で何万本ものミドボンが飲食店などで日常的に使用されていることを考えれば、適切に取り扱っている限り安全性は高いと言えるでしょう。

ミドボンの表面に記載された注意事項

ミドボンの表面には、重要な注意事項が記載されています。主な注意点は以下の通りです。

・ 40度以上の場所に設置しないこと高温になる場所での保管は内圧が上昇し危険です
・ 直接人体にかけないこと液化炭酸ガスが直接肌に触れると凍傷の危険があります
・ 横にしないことボンベは必ず立てた状態で保管・使用してください

これらの注意事項を守れば、特別に維持が難しいということはありません。常識的な範囲での取り扱いで十分安全に使用できます。

ソーダストリームやドリンクメイトとミドボンの接続方法

専用アダプターの必要性

さて、ミドボンを入手できたとしても、そのままではソーダストリームやドリンクメイトに接続することはできません。市販の炭酸水メーカーと業務用のミドボンでは、接続口の規格が異なるためです。

ソーダストリームのミドボン化、あるいはドリンクメイトのミドボン化を実現するには、専用のアダプターが必要になります。このアダプターもインターネット通販で購入可能です。

アダプター入手後の接続レポート(予定)

私の場合、ミドボン本体は入手できましたが、専用アダプターはまだ配送待ちの状態です。アダプターが到着したら、実際にソーダストリームやドリンクメイトへの接続を試み、その結果を詳しくレポートしたいと思います。

接続の手順、実際の使用感、炭酸水の仕上がり具合、そして最も重要なコストパフォーマンスの検証など、実用面での情報を追ってお伝えする予定です。

まとめ:ミドボンで炭酸水生活を劇的に改善

ミドボンを使った炭酸水メーカーの運用は、初期の入手こそやや手間がかかるものの、長期的には大幅なコスト削減が期待できます。

取扱店探しに苦労する可能性はありますが、地域の酒屋を根気よく探せば、意外とスムーズに購入できる場合もあります。業務スーパーでの取扱は店舗によって異なるため、期待しすぎない方が良いでしょう。

価格面では、初回は保証金を含めて約8,000円の出費となりますが、充填後は3,000円程度のランニングコストで大量の炭酸水を楽しめます。1杯3円という驚異的なコストパフォーマンスは、炭酸水をよく飲む家庭にとって大きなメリットです。

安全面については、記載された注意事項を守って使用すれば、事故のリスクは極めて低く抑えられます。適切な取り扱いを心がければ、ミドボンは安全で経済的な炭酸水ライフの強い味方となるでしょう。