mm2h

MM2Hを自力で取得して、本サイトに詳細を書いている。取得にはとっても苦労したが、結局コロナでマレーシアに行くことができず、1度もビザの恩恵を受けることができなかった。そんなMM2Hだが、キャンセルした。

MM2Hキャンセル理由

MM2Hが新しくなって、既存のホルダーも更新の際にその条件が適用されるからという理由ではない。実は、既存ホルダーは毎年の費用と保有期間以外は新基準が適用されないから、この理由はあり得ないのだ。

収入や毎年の滞在義務が既存ホルダーにも適用されるという話がまことしやかに言われているがそうではない。これは誤った情報であり、新基準の根幹部分は適用されない。だから更新は問題なくできる。

では、なぜ苦労して取得したMM2Hをキャンセルしたかというと、マレーシアに住む気がなくなったということが正直なところ。

意欲がなくなったといえばそういうことだ。結局マレーシアに住んで何をするのかと考えたら何もすることがないことに気が付いた。それなら日本にいて好きなことをしていたいと思い始めた。

そして、体調の問題。糖尿病の悪化で定期の通院を余技なくされているが、マレーシアで通院をしていくことに不安を感じるからだ。日本語が通用しないなかでの通院はハードルが高すぎる。

最後に、円安。今、キャンセルしたら、相当、儲かるという下世話な話だ。

MM2Hキャンセルは業者に依頼した

キャンセルの手続きは取得に比べてとても簡単だ。だから自力でやって、そのやり方を詳しく書いても良かったのだが、業者を使った。なぜ業者を使ったかは、正直自分でも分からない。

東京に2回行けば国内だけで完結するということも知っていた。今から思えば、とっても簡単な話なので、自力でやれば良かったと思っている。

きっとMM2Hの熱が冷めてしまったからだろう。

2か所の業者に問い合わせをしたところ、費用は変わらなかった。恐らく、業者同士のコミュニティで費用は統一されているのだろう。レスポンスが早かったA社にした。ただ、A社が果たして良かったのかどうかは分からない。

というのも、問い合わせの段階で1度連絡が取れなくなってしまったのだ。飛行機の予約をして日程を決めて、その連絡をした途端、メールに返事が来なくなってしまった。

後で、こちらのメールが迷惑メールフォルダーに入っていたと言い訳をしていたが、今まで問題なく届いていたメールが急に迷惑メールになるなんて考えられない。

こちらとしても、既に飛行機の予約をしてしまっているので、今更他の業者に変えることもできない。最悪、マレーシアで自分で手続きをしようと思ったが、その後何度かメールを出してようやく連絡が来るようになった。

そんな業者だった。

現地での手続きなど

現地では電話やラインで連絡はスムーズに行うことができた。

10日ほどマレーシアに滞在する予定を立てた。ビザのキャンセルは1日で済むというが、何かあったときの予備日も含めた。

マレーシア到着後、早速その何かが起きた。

11/26マレーシア着、27日が日曜日なので28日に業者と会い、同日キャンセル手続きをする予定だった。ところが、28日は首相就任記念日で急遽祭日になったので手続きができなくなってしまった。

さすが何があるか分からないマレーシアである。

これで1日棒に振ることとなった。ここで困ったことが起きた。10日間マレーシアに滞在するが、ホテルは4日しか取っていない。というのも、手続きが終了後は予備日になるのでついでにクアラルンプールを離れて観光しようと思っていたからだ。

予備日を含めて4日もあれば十分だったが、1日無駄にすることでその予備日がなくなってしまった。

業者は、ビザキャンセルは普通は1日で済むが、何かあるかも知れないので翌日にまたがるかも知れないと言っていた。

「何かある」という内容を十分知っていた。ビザを作ったときの窓口の話だが、1日何人と決められていた。その人数を超えると受け付けてくれない。だから、朝早く行ったとしても、その前に受付限度まで並んでいたら、その日の受付にならない。書類を置いていくことすらできないのだ。翌日に再びトライせねばならない。

このため、更に予備日を作らなくてはならなくなったのだが、パスポートを預けてしまっていては他のホテルに予約ができない。

仕方なく、パスポートを預ける前に、現在のホテルを延泊することにした。ブギビンタンの安ホテルに5泊は結構きついが仕方がない。

ブギビンタンにホテルを取るのは業者指定だった。HSBC銀行がブギビンタンにあるからだ。
今、考えると、HSBC銀行で待ち合わせをするなら、別にどこに泊まろうがHSBC銀行まで自分で行けば良いだけなので構わないと思った。

KLセントラルの方が交通の便が良いのでそこにするべきだったと思った。

29日にパスポートを預け、同日キャンセル手続きをしてもらった。その翌日にHSBC銀行に同行してもらうこととした。

HSBC銀行手続き

預金を作成するときは自分ひとりでしたが、今回は預金引き出しなので確実に自分の口座に振り込んでもらうために通訳として同行してもらった。

HSBC銀行では行員の事務手続きで結構な時間がかかった。そして通訳から恐ろしいことを聞いた。行員曰く、私の口座は誰の口座か分からず不明口座になっていたとのこと。

口座がINACTIVEになっていたことは知っていたが、業者の話として、何かそれ以上の悪い状態のような口ぶりだった。

INACTIVEを解除しようとして爆死したことがあるが、今思えば、きちんと解除しておけば良かったと後悔した。

【悲報】マレーシアHSBC銀行口座が凍結され、解除電話で爆死した話

というのも、今回の解約で入金されるお金については全額が税申告の対象となる。実は、普通預金にも相当額が入っていたので、事前にそのお金を下ろしておけば申告対象額がその分少なくなったのだ。後の祭りである。

本人確認のために行員から色々聞かれた。口座への振込手数料は無料とのこと。結構かかることを予想していたがラッキーだった。

これで一通りの手続きは終わった。

銀行入金

さて、一連の流れでマレーシアでの手続きが終了した。だが、まだ安心はできない。当たり前の話だが送金したお金が日本の銀行に入金されなければならない。。

で、業者から事前に注意があった。受取銀行で事前に入金できるように手続きをしておいてくれとのことであった。

そのつもりで事前に銀行に行ってきた。窓口の行員はあまり経験がないらしく先輩職員に何やら聞いていた。マイナンバーを聞かれたので仕方なく答えた。

一応、こちらとしては何をどのように手続きするのかは全く分からないので、入金手数料はいくらかかるか、入金には何日ぐらいかかるかを聞いた。手数料は中間に介在する銀行にかかるがどこの銀行でいくらかかるかは不明。入金までは数日かかるとのあまり回答になっていない回答。

この銀行のHPには被仕向送金のときにはその原資について色々とお伺いしますとの注意があったので、当然、その話で聞かれると思っていたが全く聞かれなかった。この銀行との取引は長く、過去のお金の出入りを見ると原資が退職金であることは一目瞭然なので聞かれないのかと思った。

入金になったら電話するとのことで銀行窓口を後にした。

後日電話が来た。「入金になりました」という電話とばっかり思ったが違った。「マレーシアの銀行から送金があるのですが、国際部門から言われて電話しています。マレーシアの銀行に送金したのはどちらからですか」

どちらからの意味が分からない。Wiseで送金したのでその旨答えたら、「Wiseへはどちらの銀行から送金されたのですか」と聞いてくる。SBI銀行と答えると「その口座のお金は毎月貯金していたのですか」と。そうですと答えるが、それで電話は終わらない。「どのようなお金を貯金していたのですか」というような内容で再び聞いてくるが、どうも何を聞きたいのか要領を得ない。

要は、マネーロンダリングを危惧しての原資の出どころを聞いていたのである。こちらとしては入金済みの連絡とばかり思っていたので、原資の出どころの話とは気が付かなかった。そんなまどろっこしい話しぶりだった。

細かい話は先に行った窓口で聞かれるべき話であり、電話で話すような内容ではない。なぜ、前回行ったときに聞かれなかったのかと切れ気味に言って電話を切った。

すると2日ほど後に入金の連絡がきた。

確定申告

預金金利と為替差益で3年間で100万円近くの利益を得た。ハッピーハッピーだが、そうは甘くない。

まず、雑所得としての税金がかかる。利益の2割だ。そして、国保料が上がる。今まで年間30万円ほどだったのが、60万ほどに変わる。20万円の税金に30万円の国保料の差額で、手元には50万円ぐらいしか残らない。

しかし、MM2H取得のために2度、キャンセルに1度マレーシアへ行った費用、業者へのキャンセル料10万円がかかっている。渡馬した費用は恐らく50万円は下らないだろう。結局は殆ど赤字なのだ。

税申告をしなくても分からないじゃないかと考える輩もいるだろう。要は脱税をしてしまえというものだが、脱税は必ず発覚する。

実は、預金を作ったときに納税番号を聞かれている。日本でいうマイナンバーだ。マレーシアと日本の協定で預金を下ろした場合、互いにその情報を伝えることになっている。
だから、マイナンバーが日本に通知されることになり、情報は筒抜けとなる。

最後に

3年間の、結局1度も使わずのMM2Hホルダーだった。終了年月日が記載されたビザを見ると苦労して取得した日を思い感慨深いものがある。

結局、そこに山があるから登るんだという山登りの言葉のように、そこにMM2Hがあるから取得したに過ぎないのだろう。

今後、一生MM2Hは取得できない。まあ、本当に欲しければサラワク州やサバ州MM2Hという手もあるが、きっとそこまでして手に入れたいとは思わないだろう。

フィリピンのビザの取得も可能だし。
MM2Hビザの取得・キャンセルは良い経験をしたと思っている。