定年後に何らかの仕事をする人もいるが何もしない人の方が多い。そうした人達は当然暇になる。暇になると何かやりたいと思うようになるが、さりとて仕事は面倒だしそもそも働く所なんてない。そこで行きつく先は地域デビュー。町内会などで活動をするのだ。
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町内会の人たちってどんな人?
だから町内会などで活動している人たちは高齢者が多い。というか、殆どが高齢者。そりゃそうだろう。現役で働いていればとてもじゃないが地域ボランティアなどはできない。
ただ、活動している人たちはなぜか男性の方が多い。女性の方が長生きで高齢者の絶対数は女性の方が多いのになぜ男性の活動者の方が多いのかは謎だ。そして女性は絶対数が少ないので面白いことに女性部を作る地域が多い。男性部はなぜないのだろうか。
町内会でも様々な役職がある。町内会長、副会長、○○部長などなど。そして町内会を束ねる連合町内会。面白いことに同じボランティア活動であっても役職ごとに立場があり、その立場立場に沿った行動をする。同じボランティアと言っても役職の違いで発言力も違ってくる。会社組織と全く同じだ。
町内会活動のメリットは何か
地域で活動するメリットは暇つぶしになる他にもいろいろとある。まず、絶対に言えることは健康になるということ。逆に言うと健康でなくては活動もできない。どっちが先かは分からないが活動している人は皆健康だ。
次に、世の中の役にたっていると思うことで自尊心もくすぐられる。周りからも「あんたはえらいと」思ってもらえる。実際にどれだけ役に立っているか。きっと役に立っていると思う。
町内会の仕事は何?
町内の美化・清掃、防犯、高齢者や障害者への見守り、小学生の通学の見守り、子育て支援、新年会、夏祭り、盆踊りなどの行事、ゴミ捨て場の維持管理など住民生活に切っても切り離せないことを主な業務としている。
なければないで何とかなるが、汚い道路を歩きたくないし、ゴミ捨て場も汚いのは嫌だ。安心安全な街には町内会は不可欠だ。恐らく誰もがそう思うだろうが、実際にやるのは嫌だという人は多くやはりボランティア精神にあふれた人たちがやるものと思う。
ただ、身近で接していると、なんとまあルーズなのかと思うことも多い。責任がないということはこんなものかと思うこともしばしば。何かあれば行政にやらされていると言えばそれで終わり。仕事であればどんなことでも朝から晩まで嫌と言わずにやらなくてはならないがボランティアに義務はない。指揮命令系統もはっきりしないなか成果を求めるのは困難。やる気があっても無くなっていくだろう。
つまりは、ルーズな仕事で大丈夫というメリット。
町内会の問題点
加入率が年々低くなっているというような話ではない。残念なことだが、町内会の役員は誰もがなりたがらないので、監査の目が届きにくい。町内会費を使い込むという話も良く聞く。報道されないだけで収支が合わない会計などは、ごまんとあるだろう。
収支があっても、お金は結構使い放題?役員会に出るとお菓子やお土産が付くことがある。新年会などとてもリーズナブルな会費で食べて飲むことができる・・・・。そういえばうちの町内会会費は結構高いと気が付いた。不正さえなければ明瞭会計なのだろう。
連合町内会は役所の目が直接入るので、あまりそのようなことは聞かないが。
人にもよるが、上から目線になりがち。見守りなどは、やってやっているんだからありがたく思えという姿勢が見える。
こうした感情は良く分かる。世の中そんなもん。やってやっている。やってもらっている。ギブアンドテイクで成り立っている。互いに感情を害さないならそれで良い。
国や行政はどうあるべきか
行政はこうした人達を上手く使うことを考えていかなくてはならない。何せ人数が多いから上手く使えば福祉の担い手になる。でも現状、上手く使っているとは言い難い。
国は遅ればせながら、「地域共生社会」を打ち出し地域の力をより福祉に向けるような方策を講じているが残念ながらきっと機能しないだろう。その辺のことはこちらに書いた。
ボランティアだけではなく、行政が主体的に音頭を取れるシステムとするべきだと思っているが地域共生の逆の考えになるのでそうはならないだろう。でも、音頭だけを取って実際には町内会にやってもらうとするとそれはそれで地域の力とも思う。
地域とひとくくりせずに、町内会に的をしぼった施策を行う必要があるとも思っている。行政が間違ったことをしなければ過去の忌まわしことの二の舞にはならないのだから、国は町内会を機能的なものとするようにもっと主体的かつ具体的に音頭を取った方が良い。