これは、私が実際に体験した話です。
デパートでエレベータを待っていた。しばらく来ないので、幾人もが並んで待っていた列の先頭にいた。
やっと来たエレベーターに乗り込もうとすると、小さな男の子が下りてきた。
私は、男の子が下りる前に乗り込んでしまい、その子に「済まない」と思った。
目的階のボタンを押そうとしたら、後ろに並んでいた人たちは誰もエレベーターに乗って来ない。
不思議な気はしたが、誰も乗ろうとしないので、そのままドアを閉めた。
ふと見ると、さっき下りたはずの男の子が乗っている。
男の子が乗ったところは見ていない。
誰も乗って来ないわけが分かった。男の子の異様さが誰の目にも明らかだったのだ。
そう思った瞬間に意識を失った。
気が付くと、エレベーター内で仰向けに倒れていた。
誰かが私の上に乗っている。
男の子だ。
いや違う。男の子と思っていたがそうではない。
お地蔵さんだ。それも苦悩を滲ませた顔をしたお地蔵さんだ。
必死で、どかそうと力を込めたが、どかすことができない。
重たさは感じなかった。
重くはないが、どかすことができない。
私は、宗教なんかはやっていないが、恐怖のあまり、お経が口から突いて出た。
前に、テレビ漫画「一休さん」でやっていた中で覚えた一説だ。
正しいかどうかなんか分からない、適当なものだ。
「かんじ~ざいぼ~さつ、はんにゃ~は~らみたし~」
大声で叫ぶように唱えた。
お経を唱えると目が覚めた。自分のお経の声で目が覚めたのだ。本当に唱えていたのだ。
びっしりと汗をかいていた。
不思議な夢を見たものだと思った。また寝ようと思ったが、目が覚めて寝れない。
はっきりと目が覚めている中、不思議な音を聞いた。
階下からゴーン、ゴーンという鐘の音のような、違うような音だ。
しばらく鳴っては、止み、止んだら、また鳴る。
妻との寝室は別々だ。妻は1階、私は2階に寝ている。
言いようのない恐怖感に襲われた。
妻の身に何かあったのかも知れない。
慌てて1階に下りた途端、音が止んだ。
妻の様子を見た。
妻は冷たくなっていた。
なんてことは、もちろんない。
本当の話なのだから。
寝息が聞こえたので安心して、寝室に戻った。
翌朝、この話を妻にしたら、妻も同じ夢を見たという。
ただ、ちょっと違っていたのは、お地蔵さんではなくて、天使だったということだ。
天使の表情までは分からなかったそうだ。
エレベータのくだりは全く同じだった。
これらは何かを示唆しているのだろうか。妻の夢と私の夢が若干違うことも気になる。
鐘の音は何かの聞き間違え、夢は偶然かも知れない。
でも、夢はリアル過ぎるし、鐘の音は確かに鳴っていた。同じ夢を同時に妻も見ることも解せない。
そう考えると不安が増してきた。
実は、翌朝とは、今日のことで、つい、先ほどの話なのだ。
妻の話を聞いて、ブログに今、綴っている。
最近は、毎日、ブログの更新ができている。
もしも、明日以降、ブログの更新が止まっていたら、何かあったと思ってもらって構わない。
ブログが続いていることを願ってる。