マレーシアMM2Hビザが新条件で再開するがひどいことになっている

811日午後4時より内務省事務次官によりMM2Hビザの10月からの新規申請受付の再開と申請条件の変更点についてライブ動画会見があったとのこと。

step1が詳細を報告している。大幅改悪であり、内容は驚くようなものである。主な改悪としては次のとおり。

 金融資産証明:
RM1,500,000(約3,900万円)以上の金融資産証明

定期預金額:
RM1,000,000(約2,600万円)以上の定期預金

月収証明:
RM40,000(約104万円)の月収証明

 この条件では、いわゆる資産家しか取得できない。少なくとも年金生活者の所得は不可能だ。億単位の月収を得ていた人なら可能かもしれないが、日本の年金で月額104万円以上なんて基本的にあり得ない。

 現在のMM2H保持者にも更新時にこの条件が適用されるというので、殆どの日本人は帰国を余儀なくされるだろう。

 また、この基準にしてからはMM2Hの取得者を国民の1%未満に制限するとのこと。

このように、わざわざ上限をアピールする狙いが全く分からない。マレーシアの人口3,270万人で1%は32.7万人。現在5.7万人ほどの取得者がいるが、改悪後に増加するということを想定しているのだろうか。どう考えても改悪後は減少の一途をたどるしかないと思うのだが。

 コンサルタントの助言のもとにこの基準を策定したというが、なんたる強気と思う。甘言しか受け付けないという政権であれば今後が危うい。

 確かに日本人にはMM2Hは人気だが人気の理由は、①治安の良さ、②物価の安さ、③英語が使える、④親日的な国民性などであるからだ。

 でも、経済的なことを考えないなら、これらの条件に合う国は多々ある。別にマレーシアにこだわることはない。そう考えると富裕層がマレーシアを選択する必然性は少ない。オーストラリアでもシンガポールでもカナダでもこれらの条件に十分に合致する。

 だいたい、英語が使えるからマレーシアっていうのは何だ。英語が使えるなら英語を公用語にしている国に行けば良いだけだ。これには経済的に行ける範囲内という大前提があるわけで、その前提のない富裕層には見向きもされないという理屈だ。

 ここでちょっと気になることがある。以前から不法取得が後を絶たないと聞く。日本人はそういうことをしないし、する必要はないのだが、取得者が最多の某国からの不正取得者が多いらしい。

 このように条件を厳しくすると、更に不正所得者が増えるのではないだろうか。MM2Hはあくまでも書類審査である。自分もMM2Hを独力で取得したが、その際の提出書類は不正をしようと思えばいくらでもできると思った。 

ところで、懸念されるのがMM2H取得をサポートしている業者さんのことだ。もしもこの条件のままだと日本人の取得者は皆無となる。正に商売上がったりとなってしまう。同情を禁じ得ない。

 ただ、マレーシアのことである。朝令暮改が多い。政権が変われば内容も変わるだろうし、政権が変わらずとも、今後のMM2Hの衰退を見て再変更も余儀なくされるだろう。

 いずれにしても、今後のMM2Hの動向に目が離せない。