新型コロナウイルスのためにマスクが枯渇した。マスク需要に対応するためにシャープがマスク生産に乗り出した。この一報は確か新型コロナウイルスが発生した直後に聞いた記憶がある。
このときシャープもマスクを求める国民のために本当に努力をしていると思った。是非とも頑張ってほしいとエールを送った。
さて、その販売日前日にシャープの販売予告サイトを見てその価格に驚いた。50枚入り2980円。消費税が付いて3、278円。これで終わるかと思うと660円の送料。一体、ひと箱いくらになるかと思うと、それは3,938円。これじゃ送料込み4,000円と最初から言ってくれた方がまだ良い。
足元を見ているとしか言いようがない。今までの国内メーカーは割引こそしないまでも、皆、50枚入り1、000円もしない定価で売っているというのにだ。
シャープは国民のことを思ってマスク製造に着手したわけではないことがこれで明らかとなった。
本業で赤字続きなのでマスクで一旗揚げようとしたのだ。もしかしたらそうではないかも知れないが、そうとしか思えない。
確かに製造機器等、イニシャルコストはかかるのは認める。その当然の結果として製品に価格が転嫁されるのも分かる。でも、マスク製造には国の補助金も出ているはずだ。今まで1000円もしないで売っていた、そして今でも既存メーカーでは売ることができているマスクを4,000円とはあまりにも国民を馬鹿にしていないだろうか。
これが中国製ならまだ分かる。利益優先で、売れるならいくらの価格にでもするという国民性で納得する。
しかし、それを天下のシャープがやって良いことなのだろうか。国内企業なら他の国内企業と肩を並べるということはできないのだろうか。
21日にマスクは売り出されたわけだが、結果は報道のとおり。サーバーがダウンしてしまった。ところで、シャープは電化製品の会社ではなかったのだろうか。電化製品のひとつである、サーバーがダウンするとは、将来の姿が目に浮かぶ。
マスクの国内需要はまだまだ高いままだが、国内のマスク生産は今まで中国が担っていた。
その中国ではコロナが一段落しているので、マスクの需要は落ちてきている。武漢から医療団が離れるときにマスクを取ったのが印象的だ。
その中国は、今や国内需要が低下した分を日本に向けて輸出している。日本の需要はまだまだ高いので足元を見て売れるからだ。それでも楽天市場で見てみると3000円を出さなくても売っているではないか。
今後とも中国産のマスクが出てくることを考えると、あえてシャープ製マスクを買う意味はない。