飛躍

起業とはどのような人達が行うのでしょうか。もちろん、起業したい人が行うことではありますが、現在の職業を投げ打って起業をするのですから、現在の仕事を辞めるというリスクを伴うものです。

ですから、誰にでも勧めることができるというものではありません。それではどのような人達は起業をしない方が良いのでしょうか。起業に向かない人とはどんな人なのでしょうか。

大企業に勤めている人の起業はリスクが大きい

日本の社会は良くも悪くも日本独特です。今では崩れてきたとは言え、基本的に「終身雇用」です。これは良いことなのですが、見方を変えると雇用から一旦抜けると戻ることが難しいのです。

現実的に組織規模は大、中、小とあります。大会社は潰れる心配は少なく、コストパフォーマンスが高く、小さくなればなるほどコストパフォーマンスが低くなります。コストパフォーマンスとは労働に対する収入のことです。小さい会社になればなるほど長時間労働で収入が低い傾向にあります。

なので、会社に勤めようと思えば殆どの人が大会社に入ろうとします。その結果、競争が激しく、入社が難しくなります。しかし、一旦入社してしまうと終身雇用制で身分は保証されます。その保障を投げ打ってしまうことが起業です。とてもリスクが大きいことが分かります。

大企業に勤めている人は今一度考えた方が良いのかもしれません。

能力の無い人に起業はできない

長くサラリーマンをやっていると色んな人を見ます。私の会社は平均3~4年で異動しますので、会った人たちは大勢います。難しい入社試験を経て入ってきているので、基本的には相応の能力はあるはずなのですが、正直言って玉石混交です。ぺーパー試験で人を判断できないというのが良くわかりました。

起業というフィルターを通して彼らを見ると起業をしても「この人なら大丈夫だ」とか「絶対この人は失敗する」というのも見えてくるものです。実際に起業した姿を見てのことではないので、もしかすると実際に起業したときにはすごく変わるのかもしれませんが起業してもダメだろうという人が多いのも事実です。

条件が良い職場なので途中で辞める人は殆どいませんが、中には勤めることができずに退職する人もいます。退職理由も仕事が嫌だというのが殆どで、そのような人はふたつのパターンがあってひとつは能力がなくて仕事が全くできない人、次は人と話すことがいやだとか、人と一緒にやっていけない人です。

長時間労働をしているわけではなくここで勤まらなければどこに行っても勤まらないと思うのですが、目先の嫌さで辞めていくのです。実は、そういう人たちは元々会社のお荷物となっていた人たちなので辞めてもらって良いのです。

こうした途中退社した人たちが起業したという話は聞いたことはありませんが、起業したとしても失敗することは目に見えています。

そうです、起業には能力が必要なのです。 少なくとも、今の勤め先で自分の力を十分発揮できないような人、会社のお荷物となっている人は起業をしてはいけません。

なぜなら、会社というシェルターで覆われて働くことができていた人たちなので会社から去ると何もできなくなることが目に見えているからです。辛くて辞めたというような人や人と接することができないような人に起業という途は選択してはダメなのです。

人生に不満がある人は起業に向かない

起業に向かない人は人生に不満が多い人です。人生に不満があるから起死回生で起業したいと考えるのかも知れませんが、問題はその不満が何かです。

他人が悪い、世の中が悪い、政治が悪い、だから今の自分はこんなんだと何かにつけて他人のせいにする人は起業しても絶対に失敗するので止めておいた方が無難です。なぜなら、起業とは他人と調和する中で他人と自分に利益を与える作業だからです。

しかし、自分は起業に向かない、会社設立しても上手く行かないと意気消沈する必要はありません。今までがそうであったからと言って今後もそうであるとは限りません。

起業はリスクを負うものです。家族を路頭に迷わせるかもしれません。慎重にも慎重に考えるべきものという意味で話しているに過ぎません。何もやらないのでは先に進みません。色んな角度から考えるべきものです。

今は起業に向かないと思うような人でも、起業する前に起業に向くように努力すれば良いだけです。

起業の前にワンステップ置くということです。