税理士

税理士が必要かどうかを考えるには二つの側面があります。①あなたが税務をどこまでやるか、できるか、やる気があるかと、②会社はどれだけお金の出し入れがあるか、換言するなら、どれだけ儲けがあるかということです。

①については、税金のことを全くやる気がなければ税理士に頼む選択しかありません。しかし、会社を経営するということは利益を追求することです。少なくとも自分の会社が利益を出しているかどうかを見極める目は最低限持っていなくてはなりません。

経費として何にいくらかかったが、いつ何を売り上げていくらの利益が上がったかは必ず押さえておかなくてはなりません。その意味では税理士に頼むとしても全てを丸投げすることは経営者失格と言えるのではないでしょうか。

税理士は誰に頼むのが良いか

税理士に頼むとしても誰に頼むかですが税理士とひとことで言っても玉石混交です。税理士試験という難しい試験をパスしたので皆が知識を持っているかと言えば何とも言えません。

というのも税理士になるための方法はたくさんあって、過去には税法と会計に関し大学院を2か所出るだけで資格を貰えた時期がありました。大学院といえばとても難しそうに聞こえますが、あまり言いませんが色んな大学があるものです。

さすがにこれではまずいということで何年か前には見直されていますので最近資格を得た人ではこのような人はいませんが、ある年代以上ではそのようにして資格を得た人もいるでしょう。

次に税務署に23年勤めると自動的に資格が付与されます。正確には事務手続きは必要ですので全自動ではないでしょうが。こちらも公務員には色んな人がいるということだけを言えば十分でしょう。

それでは、全て試験を通った人が会社の税務に長けているかというとそれもあやしいものです。法律科目では法人税法か所得税法のどちらかに通れば良いので法人税法を取っていなければ法人税については経験が長くないとなかなか細部に渡ってまでは分からないでしょう。

ただ、このように得手不得手や能力の差異はあるにしても実は最大限考慮しなければならないことは「相性」です。 ひと月やふた月の付き合いとなるわけではありませんので、一緒にやっていって馬が合うか合わないかはとても大きな要素です。「今月もあの人と話さなくてはならなくて気が重くなる」というような人はもちろん避けなくてはなりません。

税理士に頼む内容

税理士に頼む場合は何をやってもらうかです。税理士の仕事は幅広く人によっては経営相談までやってくれる場合がありますがそうすると費用も自ずから高くなります。

決算のみという場合もありまし、毎月の記帳を含めるというのもあります。何れにしても自分で税務の何ができるか、何ができないかを明確にして税理士に頼まなくてはなりません。全てをやってもらうと、毎月2~5万円、決算に2~50万円の費用がかかってしまいます。

ですから、税理士に何を頼むのかは重要なのです。あなたが税務をどこまでお願いするか、お願いする必要があるかを良く考えてから頼まなくてはなりません。

税理士は本当に必要か

初年度で果たして税理士に頼まなくてはならないほどお金の動きがあるかと言う点と税理士に頼むだけの儲けが出ているかの点で考えなくてはなりません。赤字で殆どお金の動きがないなら税理士に記帳してもらうものすらありませんし、儲けがないなら税理士に頼む費用さえも捻出できないでしょう。

税理士の見直しも必要

初年度だけの話ではなく、収益が悪化したときの税理士の見直しも必要です。保険の見直しと同じですね。

年金収入と事業収入で細々と暮らしている70歳を超えている知り合いのことです。とある機器のメンテナンスを事業として行っているのですが、過当競争で年々収益が悪化して、純益は月5万円もありませんでした。

あるとき税理士の話になったのですが、その収入の中から毎月3万円を税理士に支払っていることが分かりました。すぐに、税務手続きは自分でやるように助言したのですが、このような資金繰りの中で収益の殆どが税理士に渡っていたことには驚きを隠すことができませんでした。

会社設立時には要注意

会社設立が手数料無料でできるという広告がたくさんあります。広告のとおり間違いなく無料でできるのですが、無料なのは条件があります。

それは、税理士顧問がセットになっているということなのです。 会社設立の手数料は無料でも税理士顧問料は無料とは言っていません。当然のことながらその法人の配下の税理士に限定されてしまい、税理士選択の余地はほとんどなくなり、結果的に高い出費になってしまいます。

本当に税理士が必要かどうか、必要だとしてもその法人の配下の税理士良いのかを良く考えてから法人設立を行うべきものです。

まとめ

会社は利益を追求します。利益が出る以上納税の義務は生じ、税金計算は避けて通ることはできません。そのプロが税理士です。ですから、必要があれば当然税理士に頼まなくてはなりません。

しかしながら、今までの文脈のスタンスで分かるとおり私は起業したばかりのときには税理士は必要ないと思っています。 日々の記帳は今や会計ソフトで十分こなせますし、webサービスもあります。そうしたものを有効活用して、それでもどうしてもできない場合は決算のみのスポットで頼むなどの方法が良いのではないかと思っています。

更には会社が軌道に乗って社長であるあなたや従業員が会計処理ができなくなったときに初めて税理士に頼むというのが良いと思っています。