上司が怖いと感じる前に知っておきたい!仕事の悩み相談とホウレンソウの本質~仕事の報告の仕方から休みの連絡まで、職場コミュニケーションの実践的アドバイス~

本当にホウレンソウは万能なのか?職場の報告・連絡・相談の真実

報告、連絡、相談で俗に言うホウレンソウ。ホウレンソウが大事だということで「本当にホウレンソウを職場に持ってきた」というお笑いのCMがあるほど、ビジネスシーンで浸透している言葉だ。

新人研修でも管理職研修でも、報告、連絡、相談を必ずしなさいと言われもしたし言ってもきた。職場では当たり前のように「ホウレンソウを徹底しよう」と掲げられている。しかし、本当にそうかと言えば、実務の現場では間違いなく違うと言える。

仕事の報告で失敗した実例~いちいち報告すれば良いわけではない

ある職場でのこと。部下で長時間勤務をしている者がいたので、情報共有のつもりで上司にその旨を伝えたところ、予想外の反応が返ってきた。「お前は何をやっているのか。なぜ、その職員にそんなに働かせたか」と激しく叱責されたのだ。

この経験から、「上司が怖い」と感じる瞬間は、実は報告の仕方や内容の選び方に問題があることが多いと気づいた。単なる情報共有で言っただけなのに、管理責任を問われる形になってしまった。このとき心の底から「言わなければ良かった」と後悔した。

仕事上司報告の難しさ~知らない方が良い情報もある

他方、上司のためを思えば、上司が知らない方が良い情報というものも確実に存在する。上司は「俺は知らなかった」と言えば、部下の管理責任は問われてもその案件に対する直接的な責めは負わないからだ。

管理職の立場になってみると分かるが、私自身、余計なことは知りたくないというのが本音である。ビジネス書では「悪い報告こそ、速やかにしないとならない」というが、正直なところ、悪い報告こそ聞きたくないものだ。精神的な負担も大きいし、対応に追われることになる。

もちろん、隠ぺいを勧めるわけではない。しかし、絶対に発覚しないことについては、わざわざ報告して事を荒立ててはいけない場合もある。ただし、後々発覚する可能性があるものは、自分の責任回避の意味でも必ず報告しておくべきだ。これが仕事の連絡における実践的な判断基準である。

仕事悩み相談の落とし穴~相談しすぎるのも問題

以前、色んなことを相談してくる職員がいた。最初は熱心だと思ったが、次第に「そんなことまで聞かないと分からないのか」という印象を持つようになった。

仕事相談は大切だが、何でもかんでも相談すれば良いというものではない。自分で考える力、判断する力が育たないし、上司から見れば「主体性がない」と評価されてしまう。私はやさしいから面と向かって指摘することはなかったが、こっそりと勤務評価で悪い点を付けた。良い性格だろう。私は。

仕事休みの連絡と日常的な連絡の位置づけ

連絡の意味については、もう少し掘り下げて考えてみたい。休暇を取るときの仕事休みの連絡は当然必要だ。「明日休みます」という一報がなければ、職場の業務調整ができない。

また、「ここに行ってきます」という外勤のときの断りも、所在を明確にするという意味で重要である。これらは必要とか必要じゃないとかいう次元でもなく、社会人として当たり前のマナーと言える。しかし、いちいち報告が必要な細かい事柄まで逐一連絡していると、かえって仕事の効率が落ちる。

仕事の報告の仕方~本当に必要な報告とは何か

話をもとに戻そう。報告が本当に必要な場合はどのような場合か。それは、報告をしておかないと後で自分が問題になるときのみである。この「問題」とは、自分が責任を問われる場合を指す。これは間違いない。上司から「俺は聞いていなかったぞ」と言われるのは致命的だ。

仕事上司報告において重要な判断基準には、二つの要件がある。

一つ目は、その情報を黙っていると他のルートから上司の耳に入ってしまう場合である。「あの件、知ってる?」と他の部署や上層部から先に話が行くと、直属の上司の面目が潰れることになる。

二つ目は、その情報自体が組織にとって重要である場合だ。金額が大きい、影響範囲が広い、法的リスクがあるなど、放置できない案件は必ず報告が必要になる。

先に挙げた私の失敗例は、そのどれにも当てはまらなかった。単に「長時間勤務している人がいる」という情報は、他から漏れる可能性も低く、組織全体に影響する重要事項でもなかった。だからこそ、報告したことでかえって問題視されてしまったのだ。

仕事の悩み相談をするときの正しいアプローチ

それでは、相談が必要な場合はどのような場合であろうか。それは、何かを決定しなくてはならないときであり、その職員にとっては重要な案件である場合だ。

ただし、そのときの相談の仕方が重要になる。相談とは言っても、取りうる選択肢をあらかじめ作成し、自分の考えをはっきりとさせておかなくてはならない。「A案とB案があり、私はA案が良いと考えますが、ご意見をいただけますか」という形が理想的だ。

一方、何も考えずに丸投げで「これはどうすれば良いですか」と聞くのは、相談とは言わない。それは単なる思考停止であり、上司からすれば「自分で考える気がない」と映ってしまう。仕事悩み相談をする際は、必ず自分なりの答えを持っておくことが大切だ。

## 上司が怖いと感じる本当の理由~安易なホウレンソウがもたらすリスク

重ねて言う。連絡のことは一旦置いておくが、少なくとも報告と相談は、何も考えずにすぐに行えば良いというものではない。

「ホウレンソウを徹底しよう」というスローガンを真に受けて、何でもかんでも報告・相談していると、かえって上司からの評価を下げることになる。「判断力がない」「時間の使い方が下手」「優先順位がつけられない」と思われてしまうのだ。

これを上司に話すとどうなるか、自分が上司だったらどう考えるか、を良く考えてから行うべきだ。相手の立場に立って想像する力が、真の仕事力である。

上司が怖いと感じるのは、実は自分の報告・相談の仕方に問題があることが多い。タイミング、内容、伝え方を見直すことで、上司との関係は大きく改善する。

いちいち報告仕事が評価を下げる~効率的なコミュニケーションを

現代の職場では、いちいち報告する文化が根強く残っている職場も多い。しかし、デジタル時代において、本当に必要な情報だけを的確に伝えるスキルが求められている。

メールやチャットツールの普及により、些細なことまで報告しやすくなった反面、情報過多で本当に重要な情報が埋もれてしまうリスクも高まっている。「仕事ができる人」とは、必要な情報を必要なタイミングで、適切な方法で伝えられる人なのだ。

まとめ~ホウレンソウの本質を理解して職場の悩みを解決

安易なホウレンソウは、時として自分の首を絞める結果になる。大切なのは、形式的にホウレンソウをすることではなく、その本質を理解することだ。

・ 報告は「後で問題にならないため」のもの
・ 相談は「自分の考えを持った上で判断を仰ぐ」もの
・ 連絡は「業務を円滑に進めるため」のもの

この原則を理解した上で、状況に応じて柔軟に使い分けることが、真のコミュニケーション能力と言える。仕事の悩みの多くは、このコミュニケーションの質を上げることで解決できるのだ。