60歳定年から65歳以降まで:定年退職後の働き方と生活の過ごし方を徹底解説|再雇用・再任用で迷ったときの判断基準と公務員の定年後の選択肢

私は定年後に再任用すべきかどうか迷いに迷いました。そのときの考えを記しますので、同じように60歳からの働き方や定年後の過ごし方で悩んでいる人の参考になればと思います。

若い頃からの夢とアーリーリタイアへの憧れ

若いころから、アーリーリタイアに憧れていました。働くことが嫌いというわけではないのですが、色々とやりたいことがあり、とてもじゃないがずっと働いてはいたくないと思っていたのです。しかし、親の遺産があるわけでなく、何か特別な技術・技能を持っているわけでもない者としては、働かないと食べては行けないという現実は厳しいものでした。

アーリーリタイアまでは行かなくとも、何とか、定年3年前あたりには辞めて、悠々自適の生活を送ろうと夢見ていたのですが、現実にはそれすらも叶いませんでした。恐らく、大方の人は私と同じ境遇にあると思います。多くの人が60歳で定年退職したいと考えているものの、実際には経済的な理由から難しいのが現実です。

60歳定年を迎えて:退職金と年金の計算

60歳で定年になると退職金がもらえます。私の場合年金が出る65歳まで、この退職金を切り崩すことで生活ができる計算になっていました。65歳からは妻の年金と合わせると何とか喰うには困らない。そう考えると定年後の再任用をするべきかどうか本当に迷いました。世の中には定年退職後も働かなくては生活できない人もいることを考えると幸せな悩みかも知れないが本当に悩んだのです。

定年後の生活については、多くの人が同じような悩みを抱えています。特に公務員の定年は段階的に引き上げられており、定年再雇用の制度も複雑化しています。60歳以降の働き方をどう設計するかは、今後の人生設計において極めて重要な選択となります。

理想と現実のギャップ

若い時からのシナリオでは再任用などはあり得ない話なのですが、現実に目を向けるとそうは行かないことを改めて知らされました。

確かに退職金を切り崩すことで生活はできますが、1年間350万円の生活費がかかるとすると、当たり前ですが、働くことでその分の貯金を減らさずに済みます。

350万を貯めることなど容易なことではないのですが、1年間同じような形で働くだけで自動的に350万円が貯まるとことは何と魅力的ではないでしょうか。

持病という不安要素

そう考えると再任用の一択しかないはずなのですが、なぜ、迷ったかというと持病のことがあったからです。実は、糖尿病を患っていて、投薬で何とか落ち着いてはいるのですが、血糖値が高いと免疫力が弱くなるようで風邪を引きやすく体力に自信がないのです。働くことは全然問題ないのですが、この先、どれだけ健康を維持できるかを考えると、これからの人生で1年1年がとても貴重な時間となり、そんななか、働いてなんかいられない、というような気持ちがあるのです。

65歳からの人生の楽しみ方を考えたとき、健康であることが何よりも重要です。健康を犠牲にしてまで働き続けるべきか、それとも体力があるうちに自分の時間を楽しむべきか。この判断は非常に難しいものでした。

再任用のメリットとデメリットの徹底分析

そこで、再任用のメリットデメリットを次のように書けるだけ書き出して熟考を重ねました。

再任用をしないメリット:定年後過ごし方の理想像

健康体になれる

今まで忙しく働いてきた。精神的にもなかなかハードだった。そうした日々がなくなり、減量にも本格的に取り組むことができて健康体になれる。定年後の過ごし方として、まず健康を取り戻すことは最優先事項です。

早期に趣味を満喫できる

今までやりたいと思っていた趣味であるが、海外旅行、英会話など時間をかけて思いきりできる。世界一周の旅にも出ることができる。人生60歳~75歳を黄金の15年と言うがこの黄金期を早期に迎えることができる。60歳からの働き方を選択しないことで、この貴重な時期を趣味に充てられるのです。

退職する前年に有給休暇を使い切ることができる

これを書いたときは59歳だが、はっきり言ってもう仕事には疲れてきている。休めるものなら休みたいが再任用となれば休暇が引き継がれるので休むわけにいかないが再任用しないとなれば休み放題となる。

再任用をしないデメリット:定年後生活の現実的課題

収入がなくなり、生活が大変になる

年間350万円もの収入がなくなることになり、退職金を切り崩すとなると、今までと同じ生活を送ることはできなくなる。特に下記の社会保険料等の負担でアップアップとなる。65歳以降の働き方を考えなければ、さらに厳しい状況になる可能性があります。

貯金が減るので精神的にきつくなる

毎月、毎月、残高が減って行き、増えることのない預金通帳を見ていくことは本当に大変なことと思う。定年後の生活において、経済的な不安は精神的な健康にも大きく影響します。

暇になり過ぎて精神的にきつくなる

「終わった人」という小説を読んだことがあるだろうか。退職してやることがなくなった主人公の悲哀を描いているが、本当にこのようになってしまいそうだ。小説の主人公は幸か不幸かその後にドラマがあったので(だから小説になる)まだ良いが市井の人である私は本当に何もやることがなくなってしまうのではないか。定年退職後の過ごし方を具体的に計画しておかないと、このような状況に陥る可能性があります。

翌年の住民税がバカ高い

所得税は当年中で収支計算がされるが、住民税は翌年度課税である。現役最後の年となると所得も相応であることから、働いていないと翌年、手持ち金から住民税を払わなくてはならない。うん十万円の支出となる。

健康保険料がバカ高い

これも前年所得で計算されるのでバカ高い。任意継続を使ったとしても私の場合はうん十万円の支出となる。国民健康保険ならもっともっと高額だった。何とかならないかと考えたところ、自分で起業して社会保険料を払えば事業主負担と合わせても、最低の賃金とするなら30万円程度で収まることがわかった。会社設立費用が別途かかったり企業の住民税がかかったりと他にも支出が出るが、会社設立の経験をすることができるのはメリットと思い、再任用しないのなら本気でそうしようと思った。

配偶者への相談と事前準備の重要性

妻には相談していませんでした。なぜなら、妻へは若い時から洗脳しておいたので相談したとしても「あなたの好きなようにすれば」と言うのが分かり切っていたからです。どうやって洗脳したかと言えば、難しいことではなく、昔から「俺は定年3年前で仕事を辞める」と言っておいただけです。

そう言っておくと、定年まで勤め上げた現在の状態は「御の字」であってその後までは望まないということになります。若い方がこれを読んでいたら今からこう言っておくのが良いでしょう。定年退職後まで「あんた働きなさい」と言われることこそ嫌なことはないですから。定年後の過ごし方については、パートナーとの事前の意思疎通が重要です。

最終決断:他力本願の選択

考えに考えたあげく、どうしたかと言うと、結論が出ませんでした。本当に結論が出なかったのです。だからどうしたかというと、丁半ではないですが、あるときの血糖値の値で決めようという他力本願としました。つまり、そのときの血糖値が上がっていたら、今後の上昇が懸念されるので健康のために再任用しない。血糖値が十分に低ければ当面の危機はないとして再任用するとの考えです。

そうして受診した結果、今までの最低値となっていたので、再任用することとしました。なんかくだらない落ちで「すまん」

まとめ:自分に合った定年後の選択を

定年退職は人生の大きな転換点です。60歳定年を迎えるにあたって、その後の働き方をどう選択するかは、経済的な側面だけでなく、健康面、精神面、そして人生の充実度という多角的な視点から考える必要があります。

公務員の定年制度や定年再雇用の仕組みは複雑ですが、自分自身の状況をしっかりと見極め、メリットとデメリットを冷静に比較検討することが大切です。60歳以降の働き方、そして65歳以降の働き方まで見据えた長期的な人生設計を立てることをお勧めします。