旅行者が海外で現地のお金を入手する方法は以前はトラベラーズチェックが使われていたが、2014年に廃止となっている。現在はATMでカードで引き出すのが主流だ。
そのカードにしても次の3種類がある。
クレジットカード
銀行口座のデビットカード
その他のデビットカード
目次
手数料が安いカードはどれか
手数料はそれぞれのカードで異なるため、具体的な手数料は各カード会社の規約を見て行かなくてはならない。
ここで手数料とは返済額から元金を差し引いたものを言うが、各カード会社はこの文言を色んな意味で使っている。ATMの利用料だったり、利率計算後の利息額だったり、為替レート換算後の額だったりするのでそれぞれの確認が必要だ。一部の手数料が安くとも為替レートが悪ければ全体の手数料は増えるし、逆に為替レートが良くとも一部の手数労が高ければ全体の手数料は増えるからだ。
いちいち見ていくのは大変なのでネットでググってみたが、結局、どれが一番手数料が安いのかは全く分からなかった。
少なくとも自分の持っているカードの規約ぐらいは確認しておかなくてはならないと思い、自分の持っているカードで具体的にお金を引き出して返済額の確認をしてみた。その結果、こんなに手数料が違うものかと愕然とした。
自分の持っているカードは次の3つである。たまたま3つの種類の全てを持っていた。
クレジットカードはJALカード(三菱UFJニコスカード)
銀行口座のデビットカードは住信SBIネット銀行
その他のデビットカードはJAL Global WALLET
具体的な手数料額
まだまだコロナが落ち着かない中、マレーシアに用事があり、出かけることになった。このときにこれらのカードを実際に使ってみたところ、次のとおりとなったので説明していきたい。
住信SBIネット銀行デビットカード
海外でATMでのお引出しの場合には引出金額のほか海外事務手数料2.50%(非課税)がかかります※
11月27日にRM100を下したところ、3,216円が引き出されていた。これは2.5%の手数料を加えた額なので、手数料分を差し引くと、もともとの利用額は3,137円。これから為替レート換算はRM1で31.37円計算ということが分かる。この日の為替レート31.03円で計算すると3,103円分についての返済額は3.216円なので、3.64%分の割増率額(利用手数料)を支払うこととなる。
JALカード(三菱UFJニコスカード)
レートについて
外貨建によるカード利用代金の円貨への換算方法は、外貨額をVisaまたはMastercardの決済センターにおいて、集中決済された時点でのVisaまたはMastercard所定のレートを使用いたします。
なお、換算に際しましては、海外利用にかかわる事務処理コストとして、当社が定めた2.20%(税込)を加算させていただきます。
ご利用日の換算レートではありませんのでご留意ください。
RM50に対して上記レートで計算し1,651円の利用となることから、為替レートはRM1について33.02円ということが分かる。この日の為替レート31.03円で計算すると1,555円分についての返済額は1,684円なので、8.33%分の割増率額(利用手数料)を支払うこととなる。
ただし、この計算については一律の掛け率で計算するのではなく、年利率に対する借り受け期間で計算されている。
1,651円を借りて41日後の返済であることから、年率17.95%で計算すると、1651×0.1795×41/365=33円で計算される。繰り上げ返済を行うとその分返済額を下げることができるが、今回は返済日まで借りるとして通常の計算を行った。
JAL Global WALLET
両替のご利用で当社取り扱い15通貨については、両替時の為替レートに両替手数料が含まれます。
ATMのご利用で海外でATMを利用する場合には、1回当たり約200円(非課税)相当額の海外ATM手数料がかかります。
当社取り扱い15通貨以外の通貨をご利用の場合は、ご利用時に4%の海外事務手数料がかかります。
*当社取り扱い15通貨とは、日本円、米ドル、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、豪ドル、NZドル、カナダドル、
香港ドル、タイバーツ、シンガポールドル、マレーシアリンギット、中国元、台湾ドル、韓国ウォンをいいます。
マレーシアリンギットは指定15通貨に入ることから、為替レートに両替手数料が含まれレートは34.65672円。これにATM利用手数料RM7.4が加えられる。1回当たり約200円相当額のはずだが、256円となっている。RM57.4の返済なので1980円相当となっている。
(計算上は1976円のはずであるが)
この日の為替レート31.09円で計算すると1,555円分についての返済額は1,980円なので、27.37%分の割増率額(利用手数料)を支払うこととなる。
手数料最安カードは住信SBIネット銀行のデビットカード
以上を考察すると、住信SBIネット銀行のデビットカード払いが一番利用手数料が少なくて済むことが分かる。
次いで、若干の差ではあるがJALカードとなる。一番、利用手数料が高いのはJAL Global WALLETである。他のカードが利用できないときに緊急に使うのがベターだろう。ただし、JAL Global WALLETの最大の利点はMastercardであるということだ。他のカードは全てVISAカードなのでJAL Global WALLETを持っていれば使えるATMが増えることになる。
そして、これもまた嬉しい点であるが、利用者が利用一時停止を設定することができる点だ。カードが紛失したとか、盗難に遭ったときなどはすぐにネットで停止措置を取ることができるので安心だ。