クジラ

 

ブラジルで開かれていた国際捕鯨委員会(IWC)の総会は14日に商業捕鯨再開を盛り込んだ日本の提案を否決して閉幕した。農林水産省の谷合正明副大臣は記者会見で「IWCが機能を果たせていないことを痛感した」と非難し、総会に続いて、脱退の可能性に言及した。

日本はIWCから一日も早く脱退しなくてはならない

IWCは拘束力のある決議(例えば、現在の商業捕鯨モラトリアムの廃止など)を行うには、4分の3以上の票が必要となることから、捕鯨国、反捕鯨国両者は自国の考えに同意する国をIWCに加盟させるため働いたが、今回の投票では残念ながら捕鯨賛成27、反対41で提案可決に必要な投票の4分の3以上の賛成を得られなかった。

今回のニュース報道で特筆に値するのは谷合正明副大臣が閉幕後の記者会見で脱退の可能性に言及した点だ。もしもこれが実現するならば大変賢明な判断といえる。

IWCは「鯨類の適当な保存及び捕鯨産業の秩序ある発展」を目的にしているが、反捕鯨国が闊歩しているなか実態は捕鯨国にいかに捕鯨をさせないかという目的に変わっている。

1946年の発足時には、捕鯨産業の「秩序ある発展」を目的として国際条約が草案され、加盟国が条約の目的に沿ってのみ行動すると期待されただろうが、 1980年代に入り、この条約上の目的に賛成しない国々が大挙してIWCに加盟し、条約の条文そのものは変えられなので、その実施のための詳細な取り決めを変更して、IWCの初期の目的に逆行する「いかに捕鯨をさせないか」に主眼をおいて活動しているのだ。

農林水産省の谷合正明副大臣が「IWCが機能を果たせていない」というのは、この本来のIWCの目的に沿った活動がなされていないことを指している。

日本は、存続意義のなくしたこんなIWCには三行半を投げかけなくてはならない。

IWC脱退の批判などは屁でもない

仮にIWCから脱退した場合、日本は国際ルールを軽視したとの批判が避けられないというが、批判をしたい者には勝手に批判させておくべきだ。

捕鯨が日本の全てではない。日本はODAを含む様々な国際貢献をしているし、アメリカを始めとした世界各国の同盟国だ。捕鯨と言う一面だけで日本は評価されうるべきではないし、仮に評価されたとしても誤った評価であることが明らかである以上、批判を恐れずに毅然たる態度を取るべきだ。

貿易問題にしかり、日米地位協定にしかり、立場の違いで様々な軋轢が生じることは止むを得ないことだ。

反捕鯨国の言い分と反論

http://www.news-digest.co.uk/news/features/2020-whaling-antiwhaling.html

ちなみに、反捕鯨の言い分を見てみると非論理的な内容で理解しがたい部分はあるが、要約すると反捕鯨の理屈として次のようなことらしい。

○クジラは絶滅しそうだから

クジラは未だ絶滅に瀕している。資源が復活してきたというのは確たる証拠がない。捕鯨を実施すれば人間がクジラを絶滅に追いこんでしまうことは過去の歴史が証明している。

なら、資源が枯渇しているという確たる証拠があるのか。過去の歴史のなかで捕鯨が資源を絶滅に追いやることが証明されているというなら、逆にこれだけの長期間捕鯨をしていないので、資源が復活しているという論理にならないか。

○クジラ肉のニーズがないのに捕鯨はナンセンス

 今やクジラを食べたいという日本人は5%に過ぎず、クジラは日本の食文化などではない。他にも沢山の食があり、クジラを食べるニーズがない以上、今更、クジラを捕獲する理由はない。

ニーズがないのは当たり前だろう。調査捕鯨分しか回ってこないのだから、高くて高くて買えないからだ。そりゃ同じお金を出すなら、高級肉を買うだろう。

○皆で捕鯨中止を決めたのだから守らないとならない

1994年のIWC総会において世界各国が話し合った結果、日本というたった1カ国を除いたその他の23カ国が南氷洋クジラ保護区を設置し同地区での捕鯨を中止することに賛成しました。この時点で世界諸国の見解が一致した以上、日本もこの決定を尊重し、捕鯨を中止すべきというのが理に適った考えだと思います。

だから、みんながよってたかって変な理屈を言いまわしてるだけなんだって。

○捕獲の仕方が残酷だから

即死を遂げた割合はたった4割、全体平均でも銛が撃ち込まれてから死ぬまで2分ほどの時間がかかっており、それだけの間クジラはもがき苦しんでいることになります。

何か、論点というよりも感情論ですね。

まとめ

以上の理屈は取ってつけたもので、実態は、「クジラは食べるものではない」という非論理から来ているものだ。

実際、我々が、犬やカンガルーを食べていることを聞くと、「食べるの???」と思うだろうが、それと同じ感情だ。
でも我々は相手国の食文化を否定しない。しかし、反捕鯨国はIWCがクジラの捕獲を計画的に行うように発足されたことを良いことに「まだまだ資源が枯渇している」と難癖を付けて相手国文化を否定しているのだ。

そんなIWCなんかに加盟していてはならない。即刻脱退して捕鯨を再開するべきだ

脱退することになったとの報道があった