mm2h

MM2H本申請の書類と費用

MM2H本申請に何が必要かはきちんと仮承認レターに記載されている。そのとおりのものを持って行けば良い。

私の場合は60歳以上でパスポートの有効期限は残り5年なので次のとおりとなる。60歳未満の場合はこれに医療保険証明が必要になる。

書類
1 仮承認レターとそのコピー
2 RM15万の定期預金の銀行証明とそのコピー
3 MM2Hからのレターがないと下ろすことができない旨の銀行証明
4 健康診断書
5 セキュリティボンド用紙

費用
1 観光ビザからシングルエントリービザへの変更 RM500
2 MM2Hビザ代金              RM450(RM90×5)
3 セキュリティボンド代金           RM1000
合計 RM1950

これらを持参して修了。

足りないものがあれば出直しとなる。後述のB氏によれば、うそか本当かは分からないが、8回も出直した人がいたとのことだ。

まあ、これだけで本題は終わるが、ぜっかくなので当日の様子を記す。

プトラジャヤへはGrabタクシーで行った

本申請当日は4時にホテルを出発、5時に到着という予定でいた。1日100人しか受け付けないので本当に強行軍だ。公共交通機関は当然のことながら使えない。だから、前もってGrabタクシーを予約しておいた。予約後、ショートメールで朝の4時に間違いないかと問い合わせが来ていたので、同時刻に待っていると返信。

予約10分前にGrabタクシーをロビーで待った。通常、Grab予約はアカウントのスケジュール欄に内容が表示されるが、10分前の状況では何ら表示されておらず、予約自体がないことになっている。

もしや、朝早いのでキャンセルされたのではないかと思っていたが、いつの間にかショートメールが来ていた。てっきりキャンセル連絡と思ったが、見ると「玄関先で待っている」とのこと。既に来ていたのだ。

到着した場合スケジュール欄から削除されることを了解。さっそくロビーから出ると確かに当該タクシーが待っていた。

乗り込み、プトラジャヤへ。1時間ぐらいかかると思っていたがそれは日中のことで、夜間は円滑走行。高速を使ったこともあり、着いたのは4時半。KLから25キロほど離れているが料金は高速代を含めても2300円ほどと安い。

今日はオフィスホリデーか?

イミグレのビルに到着したが、当然ビル内には入れない。入り口前には5脚ほどの椅子が並んでいる。街路灯の照明もきちんと点いていて結構明るい。

真っ暗闇で立って待つことを想像していたが、ゆっくり待つことができ、ラッキー。

てっきり何人かは待っていると思っていたが、誰もいない。「やった~、1番乗り」と喜んだのは最初の30分だけ。

一向に誰も来ないので、だんだんと、もしかすると今日は役所はやっていないのではないかと思い始めた。というのも、3時くらいから来る人がいるとか、5時半に着いて40番目だったなどという情報があったし、やっているとすると昨日が祝日だったので、休み明けで多くの人が待っているはずだ。もしもイミグレが今日はやっているなら、5時現在で誰も待っていないなんて有り得ることではないと思い始めた。

今日はイミグレはやっていないのではないかという思いが強まった。当然のことだがマレーシアに来る前にマレーシアの祝日は確認しておいた。その結果、7月29日渡馬、30日申請と予定をしていたものだが、予定を決めた途端、昨日7月30日は国王戴冠式と急遽決まり、その結果、申請を翌日である今日31日にしたという経緯がある。

だから、自分が知らないうちに今日が休日になっている可能性は十二分にある。戴冠式の翌日をオフィスホリデーにする可能性だ。

と思いつつ、待っていると、結構蚊がやってきた。弱り目に祟り目か。プトラジャヤは最近開発された地域で回りは緑ばかり。蚊の繁殖の絶好の場所だ。急遽長袖シャツを購入しておいて正解だった。蚊はレモンの匂いを嫌うと聞くのでレモンも持参して、絞り汁を手や顔に塗ったがあまり効果はなかった。 何せマレーシアの蚊はデング熱を媒介するので注意に注意を重ねておかなくてはならない。

さて、今日は休日かと半ば、諦めかけていたときに100メートルぐらい離れたところで車のエンジン音。庁舎の建物なので住人はいないはず。役所関係の者ではないかと思い、「今日はやっているか」と聞いたところ「やっている」とのこと。
これで一安心したのは言うまでもない。少ししてから庁舎のガードマンかと思える人たちがバイクでやってきた。

 

エージェントのAさんとB氏

そして、待ちに待ったMM2Hの申請者がやってきたのは5時20分頃。中国系女性エージェントである。仮にAさんとしておこう。待ちに待った人なので来るなり軽く会釈。するとAさん、何か書くものがあるかというのでボールペンを貸した。そのボールペンで何やらA4の紙に記入して椅子に置き、またすぐいなくなった。

何を書き込んだか見てみるとエージェント名だ。ここはカウンターではないので自発的にエージェントの順番を書き込んでいるようだ。

続いて5時40分。現れたのは同じくエージェントのB氏。「どっから来たのさ」と軽く声をかけてきた。「日本から」と答えると、ペナンから来ているが、俺のコンドを日本人に貸している。元北大教授だった人だ。日本には娘も留学した。今はカナダに住んでいるが、日本はいいとこだ。などと話し始めた。そして、私の申請書類一式を見てくれて万全とのこと。親切なおじさんだ。

ペナンのエージェントと言えば、私が参考にさせてもらったMM2Hのブログで「加奈(仮名)@ペナン」というのがあったので、加奈を知っているかと聞くと「あいつは悪いやつだ。不正をバンバンするし、俺はあいつに何十万円も貸しているのに返さない」と悪口雑言を言ってきた。

いやいや、このB氏もあやしいこと限りない。首の刺青も気になる。加奈は50歳ぐらいで太った女さ。かかわり合いにならないほうが良いと言いつつ、またぞろ、自分のことを話し始めた。「50年前の19歳のときに日本に留学していたんだ。」と。

ん、日本に留学していたなら日本語ができるのではと、日本語で話しかけると流暢な日本語で返ってきた。なんだ、日本語ができるなら最初から日本語で話してくれれば良かったのに・・・。

この入り口は何時に開くのかと聞いたところ、「6時の場合もあるし、6時半の場合もある。何せここはマレーシアだから」と笑った。


しばらく外で待っていて、ガードマンからの案内もないなかB氏はもう入って良いんじゃないかなと言い、中に入って行った。6時40分になっていた。

B氏に受付方法を聞くと、エージェントは右、個人申請者は左とのこと。受付カウンターの右には既に受付名簿が置いてあり、エージェントの名前が結構書かれていた。気がつくと、どこかからか何人ものエージェントがいつの間にか来ていた。7時10分頃である。このエージェントの順番は恐らくAさんが書き込んでいた名簿の順なのであろう。

受付名簿に記載しイミグレへ

右側にエージェントの名簿はあるが個人申請者用の受付名簿は左側には置いていない。受付に座っている女性に聞くと7時半からの受付となるとのこと。ここで、受付順番を担保するためにカバン等を置いておくという話がネットにあったが、何らそうしたアナウンスはない。だから、私は1番目なのだが、何も置かないでいた。

その辺りでうろうろしていると、40過ぎの女性が声をかけてきた。受付はどうするのかと。一目でエージェントでないことが分かる。7時半から始まることを伝えるとほっとした表情となった。私としても個人申請者がいてほっとした。

7時20分。あれ、カウンターの左側に誰かがずっと陣取っている。7時半にその人がカウンターにいれば私が2番目になってしまうので、声をかけたところ一瞬怪訝そうな顔をする。すぐさま受付の女性が私が先に来ていたことを話すと了承。個人申請者同士ということですぐさま会話が始まる。先の女性の旦那さんだ。このC氏は韓国から来ていて申請しているとのこと。日韓親善をしていたら、時間になったので、台帳に記帳して猛ダッシュで10階へ。

というのも、ここでちんたらしていたらイミグレの番号を取得できないからだ。受付は、あくまでもイミグレの発券機での番号順となる。ビルの台帳記載順ではない。

すぐにエレベーターで10階に上がると、既にAさんがクライアント数名を連れてイミグレ前で待っていた。エージェントは前もって記帳しているので時間になったらイミグレ前で待てるようだ。すぐに私に気がつくと「あなたは1番」と言い、自分の前に来るように案内してくれた。親切な人だ。

イミグレで番号券の取得

で、結局先頭をゲットできたわけだが、イミグレのドアは開いているものの、まだ発券機は動作していない。発券機の前にはガードの若い女性がいて、我々を制止している。発券機自体の電気がまだ来ていないようだ。7時40分になり、通電したようで、番号がそのガードから渡された。

彼女はイミグレ職員ではない。マレーシアで良く見る白いガードマンの制服を着ている。業務委託をしているのか、サービスでやっているのかは知らないが、そのガードの女性が発券機から券を取り出し、順番に渡している。

税務署の発券機ではどの番号のボタンを押せば良いが分からなかったので、こうして順に券を渡されるのはありがたい。B氏によると以前は個人申請とエージェントは別番号だったが、今は同一の番号になっているとのこと。

こうして、無事に1番(1001番)の番号をゲットできた。4時半からに待っていた甲斐があったというものだ。

窓口が開くまでまだ時間がある。C氏が隣に座った。C氏は「ここにコピーと書かれているがコピーは必要か」と聞いてきた。えっ、今更何を言っているのか、コピーが必要と書かれているのに確認はしなかったのかと思いつつ、ほら、イミグレの窓口にも「コピーサービスは行いません」と書いているではないかと言いつつ、私が事前に得ていた「コピーはGフロアのコンビ二で行っている」という情報を教えてあげた。

もちろん、これには感謝された。この情報がなければC氏はコピーを求めてKLまで戻らなくてはならなかったかも知れない。何せここはプトラジャヤ。周りに何もありゃしない。陸の孤島だ。

イミグレ窓口での応対

8時に業務が開始になり、すぐに番号が呼ばれた。1番窓口。申請書一式を渡すと、来庁目的を聞かれた。MM2Hの申請と答えると、初めてかと聞いてくるのでその旨伝えた。MM2H関係であっても新規申請だけとは限らない。ビザ切り替えや終了もあるので、何の申請か聞いてきたと理解した。そんなの申請書を見れば一目瞭然ではないかとは思うが、仮承認レター等は共通なので申請者に聞いた方が早いというわけだ。個人申請の英語の意思疎通ができるかどうかを確認しているのかも知れない。

担当者は関係書類を1枚1枚確認し始めた。その後は聞かれることは何もなく、確認が終わると8番窓口から呼ばれると言い終了。銀行口座証明書と仮承認レターはともに本書を返してくれた。イミグレ側へはコピーを提出というわけでコピーが必要なわけだ。

この職員の確認方法は分かりやすい。当該書類を右手でなぞって各項目を確認するという方法だ。で、私がしっかり見たのがセキュリティボンドの保証人欄。その欄を彼女は右手ではなぞっていなかったということ。要は見ていなかったという事実。

結構セキュリテイボンドの保証人を誰にしたら良いかと悩む人がいるようだ。一説でマレーシア在住の人でなくてはならないという噂もまことしなやかに流れている。実際には誰でも良い。このように殆ど見ていないし確認していない。まあ、担当者によるかも知れないが。

5分程度で最初の手続きは終了した。ふと気がつくと既に発券機はCLOSE。8時10分だったので、恐らく8時には修了していたものと思う。

16番でC氏が呼ばれた。このC氏の行動を見ていると良く個人申請ができたと思うことしきり。7時頃に来たこと、コピーも持ってこなかったこと、個人申請2番目でカウンター台帳に記載したにもかかわらず、16番と皆に追い越されたことなどだ。

で、C氏がカウンターに呼ばれてからの行動も見てみたが、何やら記載漏れがあったらしく、改めて記載していたし、妻が途中でイミグレから出て行ったところを見ると恐らく何らかのコピーが足らなかったのではないか。

Aさんがもうすぐ呼ばれるよと案内してきたので8番の前で待つ。程なくして8番で呼ばれた。9時15分だ。ワンナインヒフティと料金が告げられて支払い。てっきりここでパスポートが渡されると思っていたら違うらしい。様子を見ていたAさんが「待っていれば良いのよ」と日本語でコメント。

待っている間、B氏が横に来て世間話。また、B氏からの情報で出来上がったビザは良く内容を確認するようにとのこと。良く名前や性別が間違っていることがあるらしい。

で、待つこと1時間半。Aさんがまた「もうすぐ呼ばれるよ」と案内してくれた。Aさんは本当に親切に私を気にかけていてくれたのだ。10時45分にようやくパスポートをゲットして修了。

C氏にB氏のアドバイスを伝えて、日韓親善をして全てが修了。果たしてC氏は無事ビザを手に入れることができたかどうかは若干気がかり。

 

イミグレ内の様子

ぺちゃくちゃしゃべりながら仕事をしているという噂、対応も不親切との噂もあったが、そんなことはない。私に取っては少なくとも税務署の職員よりも親切に感じられた。窓口は8箇所あるが開けているのは3箇所のみ。そこに張り付いている職員はきちんと仕事をしていて怠けている様子はない。

さて、4時半に着いて終わったのが10時45分。6時間15分かかった計算だ。8時の申請書提出から数えても3時間弱。なぜ、そんなに時間がかかるは全く分からない。

窓口で大雑把に確認、その後、中で精査。精査が修了したものは金額計算。支払いが修了したらパスポートにビザを印刷して渡す。ただそれだけの作業。これが1番目ではなければ途中で時間がかかったのかと思うが、1番目でもこれだけかかるのは本当に謎としか言いようがない。

事前情報では1日100人しか受付ないとのこと。エージェント65人、個人45人とか。この数はイミグレに来た人数ではなく、あくまでも申請者数。だから、極端なことを言えば一人のエージェントが65人分の申請をしたら、もう他のエージェントは申請できないことになる。ただこの情報もいかがなものかと思う。発券機は1番(1001番)から発行され一人1枚である。そのときに発券しているガードはそのエージェントが何件申請をするかは分からない。聞いている様子もない。で、窓口で見ていたら、少なくとも3人分、15人分のパスポートを持ち込んでいる者さえいた。私が帰る10時45分までに呼ばれた番号は1050番である。こうしたことを考えると100人とは純然に来庁した人数ではないかと思っている。

ところでこの1日100人の制度。さすがマレーシアと思うことしきり。この制限を行わなければ定時に帰ることができないから、制限を行っているとか。日々暇であっても確かに終業間際に申請者がいたら定時に帰れない。なら、受付を何時までとか時刻で区切れば良いのに1日100人と制限する必要性は果たしてあるのかと思う。

そもそもが市民サービスとは何か、行政サービスとは何かという視点がないということだ。

人間社会は「強者」と「弱者」がある。弱者だから守られるべきと考えるのは教育であり、文化だ。ただ、自然ではない。弱肉強食が自然な理となる。マレーシアはどう考えても後者だ。

マレーシアの役所は「権力を持つところ」=「えらい場所」=「強者」だ。車の運転でも全く同じことが言える。車=強者、人間=弱者。強者の決めたことが全てとなる。歩行者優先などという概念は絶対に絶対にない。

自然なことと考えるか未開と考えるか。そもそもが考え方が違う国だ。

帰りもGrabで

上手くビザをゲットできた場合は、近くのピンクモスクを見学しようと思っていたのでGrabで移動。プトラジャヤでもGrabはすぐに見つかる。帰りのピンクモスクからKLまでもGrab。さすが観光地。Grabドライバーはピンクモスク前で待機していたので予約と同時に配車完了。帰路の運転手は良くしゃべる。ここが首相官邸とか、ガードの居住地とか観光案内。娘がいて日本に留学していて今はカナダに住んでいるとか。はて、どこかで聞いた話しだ。

 

まとめ

・セキュリティボンド保証人は大して確認されない。要は空欄でなければOK。
・入り口ドアは6時に開くと決まっているわけではない。7時までには開くと考えていれば良い。
・個人申請者は建物の受付カウンター左側でカバン等を置くという情報があるが、決まりはないし、そうしたアナウンスもない。順番を維持するために自発的にカバン等を置いていたに過ぎないものと思う。だからカバン等が置かれていない場合は中に入ったらすぐに自発的に置く方が良い。
・エージェントの1番目が5時20分頃だったので、少なくともこれ以前に並ぶ必要はない。7時くらいから急に人が増えて来る。私が次回行くとしたら5時半にする。
・発券機は8時頃にはCLOSEする。
・ビルの受付の名簿記載の順番とイミグレの順番は無関係。だから個人申請者は受付名簿に記載したらダッシュで10階へ行かないとならない。
・エージェントは既に名簿に記載しているので7時半には直接10階に行ける。ただ、だからと言ってエージェントがダッシュしている様子はない。番号さえゲットできれば遅ければ遅いほどゆっくりできる計算になるからか。そういえば早く来たAさん、B氏は中国系。
・出来上がったビザは良く内容を確認するように。良く名前や性別が間違っていることがあるらしい。