マレーシアのMM2Hの制度はコロコロ変わるということだが、確かに今年に入ってからも、不動産購入に関しての変更等があったので、そのとおりと思う。
私は、実は、かねてからのMM2Hウオッチャーである。9年近く前にマレーシア旅行に行った当時からマレーシアという国が好きになって、同時にMM2Hの存在も知った。
その後も、この制度について逐次見てきたつもりである。
その結果、制度がコロコロ変わるという話については、確かに細かな部分は変わってきていても根幹は変わっていないと思っている。
■マレーシアMM2Hの大きな制度変更はあるか
以前からまことしなやかに言われていることは、年齢に関係なく定期預金は50万リンギットにする等の大きな制度変更が行われるということ。
実は、これについても随分と前から言われていたと記憶している。
変更内容については、こちらで詳しく述べられている。
https://misakoyoko.com/blog/mm2h-requirements-changed-fd/
以下 引用
1. 申請時に提示する流動資産の額を、年齢関係なく60万リンギットにする。
2.マレーシア国内に設置する定期預金の額を、年齢関係なく50万リンギットにする。3.60歳以上でも月額収入1万リンギットが必要という条件は、(定期預金を積むことで)不要とする。
承認数が減っているのに要件をさらに厳しくする理由として、マレーシア政府はこう言っているそうです。
政府が求めているのは”quality, not quantity” (量ではなく、質だ)
裕福な申請者は、過去の犯罪歴も無くマレーシアのコミュニティーに害にならないので積極的に来て欲しい、またRM100万以上の不動産は一般的なマレーシア人とは異なるマーケットになるので、不動産が値上がりしたとしても国民には影響しないというわけです。
まるで裕福でない者はマレーシアに害悪をもたらすと言わんばかりであるが、そもそもMM2Hの取得を考えることができること自体、ある程度の資産がある者に限定されるのに、この発言が事実とすると、この物言いはいかがなものか。
「裕福な申請者は、過去の犯罪歴も無く」っていうが、裕福な者は犯罪を犯さないのだろうか。そもそも、過去の犯罪歴は無犯罪証明書で証明されているのに、MM2Hを利用している者の中に一定程度犯罪者がいるかのような言及はあり得るのだろうか。
最近は日本人のMM2H取得は少なくなっている。
マレーシアに取って、MM2Hは積極的に利用してほしいと思っているはずである。MM2H利用者はマレーシア以外の国の収入で生活するため、そのまま外貨が入るからだ。定期預金もマレーシア経済にプラスに働く。
マレーシアが求めるのは「量ではなく、質だ」という点に関しては、ここで、高収入の者だけをターゲットにするとどうなるか。高収入者だから、その分、マレーシアに落とすお金は増えると考えるだろうが、それはその人達がどのように支出するかということに左右される。一般的には、高収入者は個人としての支出規模は大きいと言えるだろうが、絶対数が少ないと全体としての支出規模は縮小せざるを得ない。
つまりは、量より質を重要視するとマレーシア経済にマイナスに働くということだ。
この情報源が MM2Hに関するお偉い方からということではあるが、公式アナウンスは当然のこと一切ない。
情報元がJust heard this from a friend:という割には内容が具体的すぎるし、具体的なのに、施行予定が6月以降というのは100年後でも正解となるのでアバウトすぎる。
こう考えると、正式コメントでないのは当然のこととして、内容の信ぴょう性にも大いに疑問附が付く。
これは、あくまでも私の推測であるが、当局が低迷するMM2Hに業を煮やし、バックグラウンドで「制度が変わるので取得しやすいうちに取得するよう」アナウンスして、MM2Hの利用者を増やそうとしているのではないだろうか。
私に言わせると、いつまで経っても実施されない、良い意味での「やるやる詐欺」と思っている。
とここまで書いたところ、このようなサイトを見つけた。
2018年5月12日にマレーシア政府と申請代行業者のミーティングがあり、その席上で、2018年6月1日から、MM2Hの定期預金額を60万リンギットにUPする予定だったが、政権交替により、現時点では、実行されないということになった。今後の予定は不明であるとの報告があったようです。
え、マレーシアの新政権は2018年5月10日に発足したものだが、その2日後に方向転換のアナウンス?早すぎないか?マハテールの最重要課題がMM2Hなのか。んなことないですよね。
ということは方向転換は規定路線だった?
やっぱり、「やるやる詐欺」と強く思った。
■余談
先のブログでコメントのあった件、セキュリテイボンドにマレーシア在住の保証人が必要となるらしい。確かにこちらのページにも書いてあるとおりマレーシア在住の保証人が必要なようだ。でも、係の担当者が並んでいる業者にサインさせたという話は流石にマレーシア。このように気の利いた担当者なら良いが四角四面の担当者ならどうなるだろうか。
http://hyipdeorz.jugem.jp/?eid=10604
でも、考えてみると、個人申請で「マレーシアに保証人が必要」とする方がおかしいように思う。もしも絶対に必要なら、素直に「業者に頼む」一択しかなくなり、個人申請の方法などあり得なくなってしまうからだ。
また、口座開設にもマレーシアの住所が必要とか。大金を預けるお客様は神様ではないのだろうか。さて、どうなのだろうか。
こうしたことから、極めて個人申請はハードルが高そうだが、果たしてうまく行くか、途中で挫折するか。
まあ、例え取得できないとしても、業者に頼む気は全くない。こんな面白いことを業者に頼むのなんて考えられない。
こんにちは。
>個人申請で「マレーシアに保証人が必要」とする方がおかしいように思う。もしも絶対に必要なら、素直に「業者に頼む」一択しかなくなり、個人申請の方法などあり得なくなってしまうからだ。
あり得なくはないですね。サワラク州のMM2Hの条件をご確認ください
https://www.sarawak.gov.my/web/home/article_view/221/279/
サワラク州の出身者、またはサワラク州の在住者(永住権が必要)が保証人になる必要があります。
ただし、業者やエージェント(英語では「エージェント」には政府の職員も含まれます)が保証人になることはできません。それでも個人申請は可能です。
少なくとも、サワラク州は、サワラク州に保証人になってくれるような友人がいる外国人に限ってMM2Hを発行したいようですね。それも立派な考えだと思います。
>また、口座開設にもマレーシアの住所が必要とか。
これは銀行としては当然の話です。今は、非居住者口座の規制が世界的に厳しく、コンプライアンスコストが上がっていて、いわゆるオフショア銀行に言わせると数千万円程度の口座では赤字になるそうです。マレーシアではありませんが、外国銀行の口座の強制閉鎖は個人的に数回経験していますし、今、2000万円程度で開ける「手軽な」非居住者口座だと、口座残高の1%程度を毎年の口座維持手数料で取る銀行が多いです。
こんにちは。コメントありがとうございます。
サワラク州では現地居住者の保証人が必要ということは知っていました。ただ、それが半島では、その旨、どこにも書いていないので違うと思っていました。
>個人申請で「マレーシアに保証人が必要」とする方がおかしいように思う。もしも絶対に必要なら、素直に「業者に頼む」一択しかなくなり、個人申請の方法などあり得なくなってしまうからだ。
これは、本来、そのような重大ごとはきちんとアナウンスするべきであって、アナウンスされていないことを強いることはおかしいという趣旨です。きちんと周知されていたら、最初から業者に頼むとか、いろいろと算段はあるからです。ただし、このことは日本人的発想であって恐らくマレーシアには通用しないとは思いますが。
ただ、サワラク州のお教えいただいたページにはきちんと書いていますね。半島でも必要だと。さて、この辺りはどうしようかと思案中です。大声で主張すれば良いのか、袖の下を用意するか(嘘です)、事前にマレーシアに友人を作っておくかとか、まあ、行ったときに考えるとします。
ただ、問題は銀行預金です。
オフショア銀行が赤字になるのは居住地確認に経費がかかるからかと思います。MM2H仮承認者に対しては政府がその居住地等を確認していることを考えると、どこまでその必要性があるかとは思います。
しかしながら、この辺りは、各銀行がどのように考えるかということになり、銀行によっては当然、プラスマイナスを考えての営業戦略として国内居住地者に限定することも当然にあることと思います。銀行は預けてもらったお金を融資に回し利益を得ることを考えると預入金が多い方が利益が出るといいうのは一般論に過ぎないと思いますので。
今回のMM2Hの目的は口座を作ることなので。事前に各銀行に問い合わせをしたいとは思います。答えは来るかどうかはわかりませんが。
個人申請されている方たちはこの辺りは特に問題視していないので、最近のことなのでしょうかね?