レジ袋有料化に絶対反対、有料化の効果は限定的、デメリットが多くメリットは殆どない

おいおい、今度は政府かよと言いたい。レジ袋の無料配布はできなくなるとか。今迄コンビニなどでは、購買点数も少なく、わざわざ買い物袋を用意する客は殆どいなかったため、無料でレジ袋を配布していたのだが、それができなくなる。

「袋おつけしますか?1枚◯円です」という接客用語が一つ増えることになり店員は大変になる。それだけではない。さまざまなトラブルが予想される。

忙しい時に袋返すから金返せとか言ってくる人のトラブル
袋のサイズで値段が違うなら値段のトラブル
温かいものと冷たいものの袋分けについてのトラブル

こうしたことから、コンビニ店員の怨嗟の声が聞こえる。

なぜレジ袋だけが標的になるのか

コンビニ店員の苦労の話だけではない。

なぜ、レジ袋なのかということも言いたい。ストロー問題でも言及したとおり、個別の商品を特定するなら、なぜ、もっと量の多い、減量効果の高い例えばペットボトルなどにも言及しないのか。

昔のように瓶にするべきではないのか。子供のときに路上に落ちている瓶を拾い集めて小遣いにした。またあの時代に戻れば良いだけだ。

それなら、不便になるとでも言いたいのだろうか。それでは、レジ袋を期待した顧客は不便にならないのか。お金で買えるから不便ではない?そう思うなら、ゴミ減量の効果は期待できないのではないか。

レジ袋は最終的にゴミとなるからというのは答えにならない。ゴミとなるのは全て同じだ。ペットボトルは再利用されるからというのも答えにならない。レジ袋もリサイクル可能なのだから。

まずは、できるところから進めて行くと言うとかも知れないが、それを言うならば、できないところ、やりにくいところは未来永劫手を付けないとなる。聖域を設ける前提は不公平極まりない。

レジ袋のCO2換算排出量を知っているのだろうか

出典 https://hddbancho.co.jp/deteriorationandmeasuresof_hdd.html

例えばコンビニのポリ袋は原料の採掘、輸送、製品加工、製品輸送で11gのCO2が発生し、製品自体が7gとすると1枚で合計およそ18gのCO2を排出したことになる。
一方家族4人、飛行機でハワイ旅行に行った場合の往復のCO2排出量はおよそ5.5tになる。(燃料重量と吸気する大気の重量が合算されるのでこのような数字になる)
先ほどのレジ袋に換算するとおよそ31万枚分に相当し、1家族で1日2枚のレジ袋を消費したとして418年分にあたる。
つまり10世代以上の間、ずっとレジ袋を使わなくても、400年のうちたった1回家族旅行でハワイにいけば、同じCO2排出量になってしまうのだ。袋屋だから言うのではないが、はっきり言ってレジ袋削減でエコなんていうのは欺瞞すぎる。
移動を減らすこと以外では朝晩シャワーを浴びる贅沢娘をいかに減らすかが本当のエコであると筆者は考える。

CO2排出量を考えるなら、レジ袋を削減する前にやることがあるだろうということだ。

それにしても、たった1回のハワイ家族旅行が、レジ袋31万枚と同じCO2排出量になるなんて驚きだ。

ゴミ袋の有料化は価格統制である

今回の件については、まだ気持ちの悪いものがある。それは、政府による価格統制だ。誰も何も言わないが、お気づきだろうか。本来、契約というのは自由のはずではないだろうか。何をいくらで売るかというのは売主の自由のはずだ。高ければ買われないだけで、そのあたりは色々と考えて適正価格を設ける、それが売主の立場のはずだ。場合によっては無料の商品を付けてサービスを競い、売上アップを図るということは常識だ。その無料商品にレジ袋が選ばれてきたという背景もある。

これを、政府はレジ袋は無料ではいけないと言い出したのだ。これが価格統制でなくして何になるか。もちろん、価格統制は経済構造の変革、円滑な経済活動のためには行われなくてはならない。行われるべきときには行わなければならないものであることは理解する。

しかし、それが環境問題に言及するときまで拡大されて良いものなのだろうか。

国民は自由経済のもと自己の経済活動を不当に制限されてはならない。

プラスチックゴミ問題はゴミ分別の問題に過ぎない

プラスチックゴミの問題は何度も言うが、プラスチック製品が悪いのではなく、ゴミを分別して投げない人間が悪いのだ。政府はレジ袋を有料化する前に、ゴミの分別についての意識涵養、罰則の効果的適用を考えるべきではないのか。

ゴミ分別の視点以外で、本気で考えるなら、プラスチック製品は医療目的以外製造禁止にするしかない。尤も、絶対にそうはならない。ならば、ゴミ分別視点で深く考えるべきだ。

レジ袋やストローなど弱い業界団体をいじめておいて、「やってるね態度」を示して、お茶を濁す現状は一番悪い。

 

6月3日追記、国はレジ袋無料配布禁止法令を策定する

「レジ袋」について、環境省は元年6月3日、スーパーやコンビニなど小売店で無料配布を禁止する法令を新たに制定すると発表した。既定路線であったとは言え、「ついに」という感じだ。法令に違反すると当然ペナルティがあるだろう。そこまでする問題なのか。なぜ、ゴミ処理の問題として正面から取り組まないのか。日本のレジ袋がなくなると全世界のプラスチックゴミがなくなるとでも思っているのだろうか。他に方法はあるだろう。正義と言いう名の暴力と思うのは私だけだろうか。