マレーシア旅行記、南国情緒のマレーシア(四日目)

マレーシア旅行記4日目

リーガロッジホテル

ホテルに着くと、受付は若い中国系の女性。チェックインを済ませ、ホテルの部屋に入るが、洗面所の蛍光灯が一本切れ掛かっていた。これから2日間お世話になる部屋である。洗面所に入るたびに、パチパチしている蛍光灯を見るのはいやだ。これは直してもらわなくてはならない。さっそくフロントで修理をお願いしたら、若いマレー系の職員がやってきて手際よく蛍光灯を換えて行った。

ここで、ちょっと遊び心が出てきた。「外国では、あいさつぐらいはできるだけ現地の言葉で言った方が喜ばれる」と聞いたことがあるので、マレー語で「ありがとう」と言ったらどんな反応を示すか試してみることにした。幸いホップオン、ホップオフバスに乗ったときにガイドが言ってた「てりまかしー」の発音の仕方を覚えていたので、職員の帰りがけに言ってみた。

するとその職員、僕を見て、にっこり笑って恥ずかしそうにうなずいた。やはり現地語での挨拶は効果的なようだ。

2日の宿泊を終え、チェックアウトのときに駅までのタクシーを頼んだら、別料金だがホテルの車で送ってくれるという。ありがたいことでお願いすることにした。車で駅まで行くと結構距離があって時間がかかった。行き先を間違えているのではと思うほどだったが、ほどなくして駅に着いた。昨日はこの距離を歩いたのかと思うと我ながらよく歩いたものだと思った。

長距離バス(イポー行き)

長距離バスステーションはタナ・ラタの中心部に位置する。ステーションと言っても名ばかりで発券ブースが3箇所にバス停があるのみだ。

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中の売り場
前もって翌日のイポー行きのバス乗り場を確認しようとして、バス停前にたむろしていた年配の職員にイポー行きの券はどこで買えるか聞いた。

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その職員は「ここで買える。2時半の出発だ」と教えてくれたのは良いが、僕の腕を手でつかみ、時計を見て、この時計には何て書いてあるのかとか、どこで買ったのかとかしつこく聞いてきた。変なやつだった。

翌日にはその職員はいなかった。日替わりで従事するのだろうか、それとも職員でなかったのだろうか。

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オンボロバス
定刻を15分遅れ、2時45分にバスは出発した。バスはオンボロも良いとこだ。VIP仕様で席が3列しかないのは良いが古過ぎるし、こ汚い。上り坂では全く力が出ずに、歩いた方が早いと思うときが何度もあった。

このバスの運転は乱暴だ。

キャメロンハイランドからの道と違い、イポーからの道は始めは細い道路のカーブだが少し経つと太い道路のカーブとなる。太い道路を良いことに、バスはスピードを上げる。カーブの度にブレーキ音をさせて曲がって行く。我が物顔で何台もの車を追い越して行く。ちょっと待て、カーブの手前でなんか追い越すな。あんたと一緒に死にたかない。乗用車を大型バスが追い抜くなんて聞いたこともない。それでも、バスはスピードを上げる。

マレーシアの交通は、ドライバーが寛容なところにその原点があるのではないか。追い抜きざまに対抗車が来ると、バスはおもいっきり左を走っている車に幅寄せをするが、幅寄せされた車は何事もなかったかのようにバスに道を譲る。日本なら、クラクションを鳴らすか、道を譲らないか、カーレースになるかだがここでは何も起きない。寛容なのは良いが他者に寛容なように自分にも寛容で「何でもあり」の運転になってしまうのではないだろうか。

5時過ぎにイポーに着いた。イポーのバスステーションは市街の「近郊行き」と市街から8キロほど離れた「郊外行き」の2本があるが、そのどちらに止まったかは全く分からない。運転手は「終点」と言ったはずだが、降りない乗客もいる。ここは「郊外行き」のバスステーションでこのまま乗っていたら、「近郊行き」のステーションまで行くのかなと思っていたが、現地の人たちが乗ってきた。どうもここを始発に他に行くようだ。

予定どおり、ここはホテルまでタクシーを使うことにした。ありがたいことにすぐにタクシーステーションがあったので乗車した。ホテルまでRM15。

キャメロンハイランドのツアー

予約していたツアーは時間が変更になって8時45分からになったとのこと。ロビーで待っているとインド系マレー人が呼びに来た。僕を見るなり、愛想笑いを浮かべた。

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ガイドのインド人

僕が乗り込むと次の客を拾いに出た。若い西洋人のカップル、インド系マレー人のカップル、そして60歳ぐらいの西洋人女性。この西洋人女性が僕の横に座った。

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西洋人のオバサン
いくつか回っていると、西洋人女性が写真を撮ってくれというので、そこから少し話しをすることになった。メキシコから来たという。英語を話すとはいうがなかなか通じない。10月22日から2週間ほどの旅行とのこと。後で調べたがメキシコはスペイン語ではないか。英語は外国語として習ったのだろうか。それにしても年齢が年齢なのに、バックパッカーとは恐れ入った。昨年、海外を色々見て回りたいと言って退職した某課長はこのように元気に回っているのだろうか。

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三宝寺院

ローズバレー、バタフライファーム、三宝寺院等々を観光した。

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さそりを手に
バタフライファームでは、色々な昆虫も展示されていた。ガイドは次はスコーピオンという。どこかで聞いた言葉だ。見ると体長15センチほどの「さそり」。ガイドは慣れた手つきでそのさそりを手にして乗客に差し出した。

え、さそりを手に?と思った。刺されでもしたらどうするのだろう。係員がいたので聞いてみた。

「さそりに毒はあるのか」

「もちろんあるさ」

「じゃ、さされでもしたらどうするんだ」

「毒といっても蜂にさされたぐらいにしかなんないから大丈夫だよ」

なるほどそういうことか。

インド系マレー人のカップルは美男、美女だ。マレー系は失礼だが、どうも何か抜けているような顔立ちだが、インド系は総じて精悍だ。女性は小柄でどこかの映画から出てきたような美貌の持ち主だ。写真を撮る機会がなかったのが残念だが、そのインド系男性とは話すことができた。兄が長野県に労働者として来ている。夫婦でこのキャメロンハイランドにクアラルンプールから遊びにきたという。

帰り道は途中渋滞があった。車一台がすれ違えるかどうかの極めて細い道路で谷側は断崖絶壁である。事故でもあったのだろうか。車が止まっていると、そのオバサンがピリピリしてくるのが伝わってきた。聞くと、クアラルンプールまでのバスが1時45分に出るという。何とか渋滞を抜けると車は猛スピードでタナ・ラタに向かった。オバサンはガイドに事情を伝えていたようだ。

これで、RM35。1000円程度だ。何という安さだ。このガイドの給料も推し量ることができるので複雑な心境だ。