業務改善で時間外労働を削減する実践ガイド

あなたは、時間外労働を多くしていませんか。したくない仕事に時間を取られるのって本当に人生のマイナス点ですよね。仕事はパッパと片付けて、余暇を充実させましょう。そのためには、業務改善が効果的です。

起業したならなおさらです。しかし、いざ業務改善に取り組もうとしても、「業務改善 アイデア 出ない」と悩む方は少なくありません。日々の業務に追われる中で、改善点を見つけることは容易ではないのです。

業務改善の気づきを得るための事務の見直し

業務改善の基本「止める」・「減らす」・「変える」

業務改善のポイントは「止める」・「減らす」・「変える」です。そのためには自分の今の仕事を再確認する必要があります。今更と思うかもしれませんが、改めて自分の仕事を振り返ってみてください。仕事を分析して、自分の仕事はどのような事柄をどのようにやっているか、それぞれどの程度時間がかかっているかを書き出します。

この作業こそが、業務改善の気づきを得る第一歩となります。日常業務の中で「当たり前」と思っていた作業も、改めて分析することで改善のヒントが見えてくるのです。

仕事の目的を把握する

次に仕事の目的を把握します。仕事には必ず目的があります。しかし、作業をすること自体が目的化してしまい、本来の目的が見えなくなっていることはないでしょうか。新しい仕事を担当するときは、前任者からやり方を教わりますが、その際によくあるのが「どうしてこの仕事をするのか」という目的が明確にされず、やり方のみを教わることです。

引き継ぎは時間も限られているので、回りくどい理屈は省かざるを得ないのですが、仕事の目的が曖昧ならば曖昧なほど、「果たしてこのやり方でいいのか」と疑問に思う余地がなくなります。ここに、仕事のムリ、ムラ、ムダが生まれる要因が潜んでいます。

ある程度仕事を覚えたら、仕事の目的を考えましょう。大きな視点も必要ですが、その仕事を構築している細かい事務など、ひとつひとつについてもその目的を考えていきましょう。この過程で、業務改善の気づきが自然と生まれてきます。

ムダな作業を顕在化させる

ひとつひとつの仕事の目的を考えていくと、自ずと現在は必要のない事務、変更を要する事務が見つかるはずです。しかし、ここでいきなりその作業を切り捨ててしまうのではなく、実務レベルでその仕事を変更したときの影響を考えます。

本当にその部分は必要か、その仕事をやめたらどうなるか、減らしたらどうなるか、やり方を変えたらどうなるかを検討します。その結果、仮に必要との結論に達したとしても、もっと簡素に行う代替手段はないかを考えます。

先輩に教えてもらった、マニュアルに載っていたということで、盲目的に行っている事務はないですか。その仕事を全くなくしてしまうことができないとしても、これまでかかっていた時間を減らして行なうことができないか、作業の手順を変えたらどうなるかも考えてみましょう。

こうして、作業時間が減ったり、適正な手順が見つかれば、必然的に仕事の効率がアップします。

業務改善 具体例:集中化と分散化の活用

事務は、集中させると効率化する場合と、反対に分散させると効率化する場合があります。これは業務改善の具体例として非常に効果的な手法です。

集中化による業務改善の具体例

断片的に行っていたものを一度に行うと、まとめて処理ができるので、効率が良くなる場合があります。「いちいち」「そのつど」と思うようなことがあれば、集中化を考えてみます。

例えば、メール対応を一日に3回の決まった時間にまとめて行う、経費精算を月末にまとめて処理する、データ入力作業を週1回まとめて行うなど、業務改善の具体例は身近なところに数多く存在します。

分散化による業務改善の具体例

逆に、今まで時間をかけて一度に行っていたものを、空き時間を活用してその都度行うことにより、いつの間にか処理が済んでしまうという場合があります。分散化による効率化です。

どちらが良いかは、その仕事の内容、進め方によって違ってきますので、自分の仕事で「まとめたらどうか」「分けて行ったらどうか」を考えてみましょう。

◎その仕事が発生した都度処理をしている場合は、まとめて一度に処理をしたらどうなりますか。
◎一度にまとめて処理をしている場合は、その仕事が発生した都度に処理をしたらどうなりますか。

業務改善提案 ネタ:パソコンの効果的活用

基本ソフトの活用

今は、一人に一台のパソコンが貸与されています。せっかくあるのですから、できるだけ効果的に活用しましょう。パソコンの活用と言っても、難しいシステムを構築する必要はありません。どのパソコンにも、エクセル、ワードは入っていますので、これらが使えるときはできるだけ使うようにします。

特にエクセルは使いこなせば、簡単なシステム程度の作業は可能になります。統計処理などでいちいち電卓を叩いている仕事はありませんか。定型的な書式に手書きをしているものはありませんか。

業務改善提案のネタとしての定型化

また、文書を作成するときには、定型句登録やひな型を作成しておき、使いまわしができるようにしておきましょう。これは業務改善提案のネタとして会議などで提案しやすく、すぐに実践できる改善策です。

しかし、パソコンは使いこなすことが目的ではありません。あくまでも手段に過ぎませんので、パソコンが苦手で、これらを使うことで逆に非効率になるのであれば、「使わない」という選択肢もあると思います。

情報交換で業務改善の気づきを得る

同僚との比較から学ぶ

同じ仕事をしている係員が複数いる場合、自分の仕事のやり方と他の人の仕事のやり方を比べてみましょう。自分より効率的に仕事をしている人はいませんか。同じ仕事をしているのに自分の方が時間外勤務が多いということはないでしょうか。

もしかすると仕事のやり方が違っているのかも知れません。そのように、周りに効率的に仕事をしている人が居れば、どこがどのように自分と違うのかを確認して、徹底的に真似てください。仕事のノウハウを盗んでください。そのためにも、仕事について係内でフランクに話し合える環境にしましょう。

他の人の工夫や気づきを共有することで、自分では思いつかなかった業務改善の気づきを得られることがあります。

横の連携を活かす

庶務担当など他課で同じような仕事をしている人がいれば、担当者会議等で横の連携を深め、お互いに仕事のやり方を確認してみましょう。担当者会議がないとしても、同じ仕事をしているよしみで、色々と聞くことはできるのではないでしょうか。

他部署の成功事例は、業務改善提案のネタとして最も説得力のある材料となります。

業務改善の具体例:相談業務の効率化

相談業務に効率化は馴染まないと思います。一方的に話を切り上げることはしてはいけないことですし、できないことです。しかし、話の中で、「今は何の話しをしているのか」、「この人は何を主張しているのか」、「こちらは何を伝えなくてはならないのか」などを整理しておき、ポイントをつかんだ受け答えができるようにしておくことはできるのではないでしょうか。

相談の目的は何か、自分の役割は何か(話を聞くことか、アドバイスを与えることか)など、相談を始める前に確認しておくことも必要です。

記録作成の効率化

また、相談の後は必ず記録を書くことになりますが、記録を書く方法を工夫していますか。複数の相談記録をまとめて処理しようと思っていませんか。記録はその都度書くものです。時間が経てば何を話したか忘れてしまい、思い出すのに時間がかかります。

どうしても後で書かなくてはならない場合は、要点だけでもメモをしておくことです。もちろん、パソコンを活用することは既述のとおりです。記録のテンプレート化なども、業務改善の具体例として効果的です。

集中と拡散でパフォーマンスを最適化

人間は、一日中同じ能率、同じスピード、同じ意欲で仕事はできません。メリハリを付けた姿勢で仕事に臨む必要があります。つまり、「やるときはやる」「休む時は休む」です。

仕事中に休むとは何事かと思われるかもしれませんが、例えば、ちょっと遠くに目をやるとか、同僚と話をするなどで、自分流の気分転換を図る方法を身につけておき、次の仕事に効率よく臨むことができるようにしましょう。

適切な休憩を取ることで、業務改善の気づきを得やすい状態を維持できます。疲れた状態では、改善点も見えにくくなるものです。

その日の仕事の予定を立てる

今日一日の自分の仕事について予定を立てます。何時から何時まではこの仕事をして、何時から何時まではこの仕事と、大まかなスケジュールを立て、それに沿って行動をします。適切な時間配分をした予定を立てることができて、はじめて自分の仕事を適切に管理できているといえます。

大げさな予定表を作らなくてはならないというものではなく、頭の中で考えるだけでも良いので、その日の朝に一日のスケジュールを立てるようにしましょう。

計画的に業務を進めることで、時間のムダに気づきやすくなり、業務改善のヒントが見えてきます。

業務改善提案のネタ:想像力を働かせる

クレーマー視点での検証

自分がクレーマーになったと想像してみましょう。他人に対するクレームではなく、自分の仕事に対してクレームを付けてみてください。無理な注文を付けてみてください。そして、仮に市民からそう言われたときにどのように対応するかを考えます。

クレームの視点を見つけること、対応方法を考えることで自分の仕事をより良くすることができます。これは業務改善提案のネタとして、リスク管理の観点からも有効です。

想定外の事態をシミュレーション

また、この仕事のこの部分を間違えたらどうなるか、ここを変えたらどうなるかなど、常に想像を働かせて考える習慣を付けておきましょう。

「もし〜だったら」という思考は、業務改善 アイデアが出ないときに突破口となることがあります。日常の些細な疑問から、大きな改善につながることも少なくありません。

仕事のマニュアルを作る

マニュアルは決して引き継ぎのときだけに必要なものではありません。自分の仕事を文章化することで仕事を客観的に見ることができるようになり、仕事の内容にムリ、ムラ、ムダがないかを発見することができます。

仕事を熟知していないとマニュアルは作れませんので、「果たして自分は自身の仕事をどの程度知っているのか」を知るバロメーターにもなります。また、自分が休んだときに他の職員がそのマニュアルを見て仕事をすることも考えられますので、積極的にマニュアルを作りましょう。

マニュアル作成の過程で、業務改善の気づきが多数得られることは間違いありません。手順を文字にすることで、初めて不要な工程に気づくこともあるのです。

間違いを無くす

ひとたびミスを犯すと正しい状態に回復するまでに多大の時間と労力を要します。このため、間違わないことが効率化につながります。

間違い易いポイントはどこか

例えば、宛名が記載された文書を封筒に入れて送付する場合を考えると、間違えるポイント(間違える事象)は封筒に書かれた宛名と異なる宛名の文書を入れてしまうことです。この例は単純ですが、今現在やっている仕事で間違い易いポイントはどこか押さえましょう。

そして、そのポイントについて、間違わずに事務処理するにはどうすれば良いかを考えるとともに、二重に確認する習慣を付けてください。二重に確認をすることは、一見、非効率と思われるかも知れませんが、ムダなことを行うことが非効率であって必要なことを行うことは非効率の概念には含まれません。

同じ仕事をしている係員がいる場合、互いに間違い易いポイント、間違わないための方法を確認し合うのが良いでしょう。

また、事務処理システム、手順の中に、構造的にミスが発生しやすい仕組みになっているものはないかという視点でも確認してみてください。ミス防止の仕組み作りも、重要な業務改善提案のネタとなります。

ケアレスミスをなくすために

人間は間違えるものです。ミスを犯すものです。だから、間違っても構わないということではなく、間違わないためにはどうするかということを考えていきましょう。

自分の関心が仕事ではなく、どこか別の所に向いてしまっていたらミスが発生します。言い換えると「ダラダラ」した状態で仕事を行うとミスを犯しやすくなりますので、仕事にはメリハリを付けて、疲れたら休んだり、気分転換を図ったりしましょう。

まとめ:業務改善は小さな一歩から

以上、思いつくまま書いてみました。馴れた仕事を一度に変えることはできませんので最初は少しの変化で構わないと思います。最初から何もできないとは決め付けずに、行動に移してみてはいかがでしょうか。

業務改善 アイデアが出ないと悩んでいる方も、この記事で紹介した業務改善の具体例を参考に、まずは一つの改善から始めてみてください。日々の業務の中での小さな気づきを大切にし、それを業務改善提案のネタとして活かしていくことが重要です。

業務改善のキーワードは「楽に」です。そして、継続的な改善こそが、真の業務効率化につながるのです。