相談

分からないことは役所に聞きましょう

会社設立にはたくさんのやらなくてはならないことがあります。全てが簡単にというわけには行きませんし、専門家でもない人が初めからスムーズに行かないものです。分からないところがたくさん出て来ます。そんなときにはどこに聞けば良いでしょうか。

実は、今の時代、一番親切なところはどこでしょうか。意外に思えるかも知れませんが、それは役所なのです。

「昔は役所は敷居が高かったが最近は皆親切になった。時代の流れだね。」などと言う気はありません。役所が親切なのは理由があります。

それは、良いことか悪いことかは分かりませんが、役所というところはコスト意識がありません。コスト意識がないということは相談には時間をかけても構わないという風潮があります。時間をかけても満足してもらうことが至上命令なのです。

どこの役所も「対応は親切に」を旗印のもと懇切丁寧に分かるまで教えてくれます。そうしたところを利用しない手はありません。税務についても、分からないことがあれば税務署に聞くべきです。

税務署を怖いと感じる人は、それは脱税などの違法行為を考えている人ではないでしょうか。何も恐れる必要はありません。

何度でも電話をして、来庁して分からないことを聞きましょう。お金をかけない無料の税務相談です。それが彼らの仕事のひとつでもあるのですから。

役所に行くときのアドバイスをいくつか話します。まず、役所は、日中は混みます。いくらコストを意識しないと言っても、目の前にずらっとお客が並んでいると「何とか処理しないとならない」という意識が立ち、端折られる可能性がありますので、朝一番で行くことです。 待ち時間もなく時間を有効に使えて一石二鳥です。

次に、要点を整理して行くことです。 役所の人は講義をしてくれるわけではありません。あなたが聞いたことに答えてくれるだけですので、自分はどこまで知っていて、何を聞きたいのかをきちんと整理してポイントを押さえて聞くようにします。

また、たまにいるのですが、聞きに行くのに、持論を展開して職員をやりこめようとする人。これは、何のために役所に行っているのか分からないです。「俺は、ここまで知っているんだぞ。なめるなよ」という人ですが、自分に自信がない人ほどこうした態度を取るようです。時間の無駄ですので、絶対に止めましょう。

経営相談、起業相談、税金、社会保険、登記等々起業時に役所が関係する事柄は沢山あります。是非とも役所を活用しましょう。

起業について誰かと相談しましょう

ビジネスプランを考えた場合なぜ、そのプランが成功するかを冷静に考えます。既存のビジネスであったらなぜ自分が競合他社よりも優位となるかを考えます。借金をしない人でも「そのプランで銀行があなたにお金を貸すかどうか」を考えます。

そのうえで起業するときは他人に相談しましょう。 行け行けどんどんで考えているときは目先が見えなくなりがちです。ひとりよがりの考えになってしまわないように誰かに相談しましょう。

私が勤めていた会社でのことです。同僚がある日、自分のやりたいことがあると言って定年退職をあと3年残して退社しました。50代後半のその人は実は料理が得意で飲食店を開きたかったのです。

そうして開店した飲食店では大変おいしい料理を出してくれました。私たちは元同僚のよしみで歓送迎会のときなど良く利用し、その人からは職場宛てに年賀状やお誘いのハガキが来ていました。しかし、あるときを境に全く来なくなりました。そう、潰れたのです。

その後、彼がどうしたかは分かりませんが、私はなぜ商売がうまく行かなかったのかその原因が分かっていました。その店に行ったときに違和感を覚えたからです。その違和感とは誰をターゲットとしているのか皆目見当が付かなかったのです。

普通の食堂にしては、単価は高いが、とは言っても料亭でも居酒屋でもない。例えて言えば喫茶店に高級料理が並んでいる、そんな店だったのです。料亭にしても居酒屋にしても食堂にしても中途半端だったのです。

これは料理が好きなのでおいしい料理さえ出せば成功すると考えた点でOUTだったと思います。おいしい料理とは最低限のラインであり、誰をターゲットとした特徴は何かということを考えていなかったのです。結局、食事をするには高すぎるし宴会をするような雰囲気の店でもないので誰も寄り付かなくなってしまったのです。

誰でも冷静に考えれば分かりそうなものです。ビジネスプランが提示されたときに机上で誰しもが分かることをその人は「仕事を辞めて開業する」ことしか考えずに回りが見えなくなったのでしょう。このことは、きちんとその人のビジネスプランを聞いてアドバイスする人がいればすぐに分かったことなのです。

ですから、できるだけ他人に相談するようにしましょう。このとき、表面的な友達だと、友達関係を重視してあまりきついことを言わない傾向にありますから聞くにしてもきちんと忠言してくれる人を選ばなくてはなりません。

市町村の公的相談窓口は相談にお勧めです。場合によっては、費用はかかりますが事前にコンサルタントに相談するのも良いでしょう。

体が資本、特にメンタル面には気を付けよう

起業したら体が資本です。今までは何かあっても他の人に任せて休むことができたかも知れませんが、これからはそうした組織の力に頼ることはできません。

例え、従業員がいたとしても、社長であるあなたの替えはいません。 起業すると、ただでさえ、今までにないほど働かなくてはならないなか、体調を崩してしまうとその後の会社運営もできなくなってしまいます。ですから、日ごろから体調管理には十分気を付けなくてはなりません。

風邪程度なら何とか数日で直るので心配ないでしょうが、陥りやすいのは会社が軌道にのらなくなったときにかかってしまう「心の病」です。

人間、自分が好きなことを一生懸命やっているときは、それが原因で心の病になることはないです。原因となるのは、自分の嫌なことを朝から晩までしなければならないときです。

収支が悪化して、朝から晩まで金策に走り回る。金策なんかは誰もしたくありません。頭を下げてお金を用立ててもらう。多忙なうえに心配の連続。これではいくら強靭な心を持っていても折れてしまうことは当たり前です。

もしも、そうなったら、何が大事かというと当然療養です。しかし、一番危険なのは、本人が自分の状況を客観的に理解しないことです。心の病にかかっていることが分からず、全てを自分のせいにしてしまうことです。

自分の状況が分かっているなら、素直に療養もできますが、分からないなら療養という概念すら頭に出て来ません。気が付いたときには病状が悪化しているという最悪のパターンになってしまうことも多いものです。

そうならないためにも日ごろから家族とコミュニケーションを取り家族とともに頑張って行くことが必要です。

本人の様子がおかしいが、何を言っても「大丈夫だ」の一点張りで病院に行こうとしないときや、精神科の病院は敷居が高いと感じているときなど、病院以外で専門家のアドバイスを得られるところがあります。

それは都道府県単位、又は指定都市単位に設置されている「精神保健福祉センター」です。気軽に相談することができますので利用するようにしましょう。